【HUION Kamvas 13】中華製格安液タブ、丸1年間使い続けてわかった使用感レビュー

ペンタブと言えば、知名度も実績もちょっと前まではWACOMのほぼ独占市場でした。

いわゆる液タブ、液晶タブレットというのは10万レベルの高級品で、手が届かない庶民は板タブ(画面がないやつ)で我慢する、というのが普通だったと思います。デジタルで絵を描くには必須のツールでした。

今では中国製の液タブがかなりお手頃なお値段で買えるようになり、ハードルはぐっと下がったように思います。iPadなど各種タブレット端末や、スマホのような超小型の端末でも絵が描けるようになったこともあり、そもそも絵を描くためにタブレット自体を必要としない人も多いです。

私もちょっと前までは板タブをずっと使い続けていたのですが、ちょうど昨年の今頃、Amazonのタイムセールで中華製液タブが格安になっていたため、「この値段なら失敗しても後悔しない!」と思い、勢いで購入。憧れの液タブをついに手に入れたのでした。

その後なんやかんやでずっと使い続けていたので、カタログスペックだけではわからない使用感など、いろいろなことがわかってきました。

  • 品質は大丈夫……?
  • 自分のパソコンとつながるかどうか不安……。
  • 液晶とかボタンとか壊れたりしない?
  • 持ち運んで使える?
  • 傾き検知やら色域やら、素人だからわからない。ただ使えるかどうかが知りたい。

これから購入を検討中の方は、ぜひ参考にしてください。

実際使ってみてどうか?

◎一番大事な部分。ペンには違和感なし、滑りすぎず快適な書き味

とにかく絵が描きたいのであればこれだけで十分なのではないでしょうか。ペンの持ち味書き味、液晶面の感度、何の引っ掛かりもありません。筆圧で液晶が壊れるとかそういったこともありませんし、この点に関しては満足です。

なお、必要そうなオプションは買い足さなくてもだいたい付属しています。液晶にはつや消しの保護フィルムが貼ってありますので、このシールに不満がなければ新しく保護フィルムを買う必要はありません。本体を傾けて設置するためのスタンドもあります。角度をつけずに机にベタ置きする場合も、本体裏に滑り止めがついているので動くことはなく、抜かりありません。

動作については、液タブはあくまで「ちょっと便利なモニター」なので、パソコン側の性能に左右されます。私は多機能の代償に動作が重いと言われがちな clip studio をメインに使用していますが、メモリ8GBもあれば普通に動きます。安心です。

◎ファンクションキーが多くて便利

画面左側にはボタンが8個もついています。ここには任意のキー入力を割り当てられるので、よく使うものを登録しておくと良いでしょう。よく使うのはCtrl+Z, Ctrl+YとCtrl+「+」(拡大)、Ctrl+「-」(縮小)ですね。これがあるだけでもだいぶ違います。

◎HDMI端子がなくても変換ケーブルを介して問題なく使える

そんなことある?って感じですが、私のデスクトップ環境は元々マルチディスプレイなので既にHDMI端子とDisplayPort端子は他のディスプレイに接続されていて、余っていませんでした。残っているのは古いDVI端子だけ。

そこでDVI to HDMIの変換ケーブルを購入して噛ませてみたところ、全く問題なく使用できました。ということで、HDMI端子が残っていなくても使えます。

△独自の3in1ケーブルの仕様が気になる

HUION の液タブは、機器への接続に3in1ケーブルという独自のケーブルを使用します。

独自とはいっても端子自体は普通。液タブ側がUSB Type-C 端子, そこから分岐してパソコン側にHDMI端子とUSB端子、そしてさらに給電用の別のUSB端子がついています。

このケーブル、本体に付属していますが長さは1m程度しかありません。つまり、何らかの方法で延長しない限り、パソコンのHDMIポートとUSBポートから1mの範囲にしか液タブを設置できません。

パソコンのUSBポートだけでは給電力が足りないことを想定して給電用のUSBもついていますが、これを使おうとするとさらに近くにコンセント(USB/ACアダプター)が必要です。結構置き場が限定されてしまいます。一応なくても使えますがノートパソコンではすごい勢いでバッテリーが減っていくので、つなげるならつないだ方がいいと思います。

液タブを一切動かさないのであれば、一回繋いでしまえば問題ないとも言えます。ですがノートPCに繋いで使い、必要に応じて持ち運びたい、となると結構配線がごちゃつくのは気になるポイントです。

△ケーブルは純正以外受け付けない

新しいスマートフォンやタブレット端末で、USB 3.1 Gen 1 か DisplayPort 1.2 対応のUSB Type-C ポートを持っているものであれば、専用のUSB Type-C to C ケーブルで接続が可能です。

公式対応機種は以下の通りです。中国製なのでHUAWEIなど中国製のスマートフォンではだいたい対応が確認されています。日本の機種の対応状況は残念ながら不明です。

  • Huawei P20/P20Pro/P20RS/P30/P30Pro/P40/P40 Pro/P40 Pro+/Mate 10/Mate10 Pro/Mate 20/Mate20 Pro/Mate20 X/Mate 30/Mate30 Pro/Mate30 RS/Mate 30E Pro/Mate 40/Mate40 Pro/Mate 40 Pro+/Mate 40 RS/Mate X/Mate X2
  • HONOR Note 10/V20/30Pro+
  • Galaxy S20 5G/S20+ 5G/S20 Ultra 5G/S21 5G/S21+ 5G/S21 Ultra 5G/Fold/Fold 2/A90 5G
  • Samsung Galaxy S8/S8+/S9/S9+/S10/S10+/S10e/Note 8/Note 9/Note 10/10+/10+5G/Note 20/20 Ultra 5G
  • Samsung Galaxy Tab S4/S5e/S6/S7/S7+
  • Smartisan Nut R1/R2/Pro 2S/Pro 3

このケーブル。一見普通のUSB Type-Cなのですが、液タブ側の端子がなぜか奥の方に配置されており、入り口がやたらと狭いので普通のUSB Type-Cでは届かないという罠があります。

なので純正品を使うしかないのですが、これが別売りでなんと定価3699円+送料(これはAmazonの値段で、楽天だともっと高いです)。たった1mのUSBケーブルが1本でその値段って。

ちなみに他のケーブルの端子部分をやすりで削って無理やり突っ込むみたいな話もありますが、給電力の問題や規格の問題で動かないことが多いみたいなので、おとなしく純正ケーブルを使った方がいいみたいです。私は Surface に接続するために泣く泣く買いました。

※デスクトップPCやノートPCに接続する場合は不要なので気にする必要はないです。

これ、無改造で代替できるケーブルを発見したら金一封モノです。どうですかね?

◎【2024年4月追記】耐久性問題ナシ!故障なく使い続けられる

この記事は2021年に購入した液タブのレビューを2022年に書いていますが、それからさらに2年過ぎて2024年現在、相変わらず問題なく使えています。安いとは言いましたが決して趣味のために気軽に出せる値段ではないので、長く使い続けられるのはポイントが高いですね。

すぐ故障するとかそういった不安とは無縁だと考えていいでしょう。

総評

ここまでメリット、デメリットをいろいろ挙げてみました。

最後にここで買うべき理由と買わない理由を挙げようと思っていたのですが、いざ考えてみると買わない理由が特に思い当たらないというのが正直な感想です。

総評するならば……値段を理由に悩んでいるなら買うべきでしょう。使用感に不満はありませんし、本気で絵を描くなら買って後悔はしないと思います。私はもし今これが壊れたら躊躇いなく同じものを買い直します。それくらい便利です。

Amazonのタイムセールで安く買おう

HUION の液タブは、Amazonのタイムセールで激しく値段が変わる狙い目の商品の一つです。

例えばKamvas 13 のケースだと、定期的にやってくるプライムデーやタイムセールで値段が25%ほども変わります。最安値は2万円台前半とまさに破格。お金には困ってない、どうしても今すぐほしい、というのでもなければ、安くなった瞬間を狙うのが良いですね。

ということで、液タブデビューするならプライムデーを狙うのがおすすめです!

明日から快適なお絵描きライフを始めましょう!


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