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ゆったりと腰を落ち着けて遊べるタイプのボードゲームといえば、なんでしょう?
時間とリソースをかけてできることを拡げていく拡大再生産、複雑性が高く幅広い視野を求められるワーカープレイスメントなど、いろいろなゲームが思い当たると思いますが、今回扱うのは王道中の王道、トリックテイキングゲームです。
トリックテイキングというゲームの歴史はどうやら相当古いらしく、1000年も前から存在していたジャンルのゲームだそうです(※ボードゲームメカニクス大全より)。それだけ古いゲームだとバリアント(変種)も相当に出尽くしていて、プレイ感もだいたい似たり寄ったりと思われそうですが、最近のゲームはそれぞれよく趣向を凝らされており、どうしてなかなか飽きさせないようになっています。クリエイターの力はすごいですね。
今回紹介するトリック喫茶レトロベリーも、そんなトリックテイキングの一種。独自のプレイ感と味のあるデザインが魅力。昔馴染みの喫茶店に持ち込んで、コーヒーかクリームソーダをお供に楽しみたい一品です。
どんなゲーム?
北鎌倉にあるレトロな喫茶店、その名は「レトロベリー」。色鮮やかなスイーツが評判で、オーダー方法がトリッキーなことが特色です。
配られたメニューカードを見て「自分がどのくらいのスイーツを食べられるかを予想し、ちょうどピッタリ食べることができれば幸せになれる」という言い伝えがあります。しかし、注文したスイーツは他の人に横取りされたり、時には押し付けられてしまったり、と思うようにはいきません!
予想をうまく的中させて、お腹も心も幸福で満たしましょう。
https://gamemarket.jp/game/180689/
レトロ喫茶がモチーフ。ビンゴ×トリックテイキングの対戦ゲームです。
- プレイ人数:2~3人
- 対象年齢:6歳以上
- プレイ時間:10~20分
- 原作:三ツ星まかろん
- 発表年:2023(ゲームマーケット2023春新作)
チャートは当HP独自の採点基準により作成しています。
全体的に右に寄っているものほどパーティーゲーム向け、左に寄っているものほどじっくり考えるボドゲマニア向けです。
デザイン:昭和レトロ×ポップでかわいい=最強。
盛り上がり:本当はもっとじっくり楽しむ人も多いと思うのですが、実際やってみたらこのジャンルのゲームにしては思っていた以上に盛り上がりました。
運要素:2人プレイ時はもう少し運要素が増えます。
ルールの複雑さ:一般的なトリックテイキングと変わりません。
その他:カードスリーブはTCGサイズ36枚。
こんな人にオススメ
- トリックテイキングの大ファン
- 昭和レトロデザインに惹かれる人
- カードの弱さに言い訳をしたくない人
通販の取り扱いも開始されていますが、在庫僅少のようです。入手はお早めに!
プレイ風景
カードは赤黄青緑の4色が各0~6までと、最強カード最弱カードが各2枚、計32枚。なおこのゲームでは切り札は常に緑です。
喫茶店メニューを模したデザインがおしゃれ。良さしかない。
まずはこれを3人に10枚ずつ配ります。余った2枚はこのゲームでは使わないので裏のまま置いておきます。
3枚を選んで、隣のプレイヤーに送ります。
……なんか奇妙な送り方をしているように見えますか? 理由はすぐに分かります。
隣から送られた3枚を受け取ります。この手札でトリックテイキングを行うことになるのですが、その前にいくつトリックを取れるかを予想します。このゲームの主な目的は、自分の予想とぴったり同じだけのトリックを取ることです。
で、このトリックの宣言の仕方なのですが、ここがこのゲームの肝。手札から対応するカードを1枚出して、それを宣言とします。
宣言に使ったカードはこのあとのゲームには使いません。なので、手札が1枚減って全9トリック、そして宣言できるトリック数は0~6までの間です。しかも持ってない数字は宣言できません。
これが結構困るんですよね。中途半端な手札だと宣言したいトリック数を表せるカードがない!!という困った事態に。雑に強いカード、弱いカードばかり送っていると詰んでしまいますから、気を付けないといけません。
このあとは普通にトリックテイキングをやって、1ラウンドが終了します。ちなみに基本はマストフォロー(親の出した色と同じ色があれば出さないといけない)ですが、最強カードと最弱カードはいつでも出すことができます。この辺りのルールは一般的なトリックテイキングと同じですので、普段遊んでいる方なら難なく理解できるかな。
ラウンドが終わったら、得点計算です。宣言通りのトリック数が取れていれば、得点トラックの自分の色のコマを進めることができます。
さらに味気ないトリックテイキングとは一線を画す工夫がこの喫茶店オリジナルのスタンプカード。
いかにもありそうな……全部集めたらコーヒー一杯無料になりそう。
見ての通りこちらはビンゴカード形式になっています。そのラウンドで自分が宣言したトリックを達成していたら、取ったカードを全て公開し、条件に合うものをチェックしていきます。ビンゴを達成するとボーナスポイントがもらえるので、こちらも気にしながらプレイしたほうがよさそうです。ビンゴの状況次第では、時に最初の手札からは難しそうな宣言にチャレンジする必要に駆られることもあり、一筋縄ではいかないようになっています。
4ラウンドが終了した時点で、総合得点を出します。得点は(得点トラックのポイント)×(ポイントカードのポイント)の掛け算になります。最も高い得点を取った人が優勝です。
2人でも問題なく遊べる、というかむしろ楽しい
さて、このゲームは2~3人用ですが、ここまで紹介したのは3人用のルールでした。2人になっても問題なく遊べるのか?というところが気になりますよね。
試してみた結果、全く問題なく遊べます。3人目をダミーとして用意して、それに合わせてルールを一部変更して遊ぶことになるのですが、動きの読めないダミーがいるとまた違った楽しみが出てくるため、これはこれでとても楽しいです。ぜひ買って試してみて頂きたいので詳しい説明はここでは省きますが、人数の心配は無用、というポイントは強く推せますね。
総評
デザイン性もさることながら、ゲームのメカニクスそのものもよく練り込まれた作品です。
ある程度頭を使うゲームができる仲の人同士なら相当長く遊べること間違いなし。個人的にはボドゲ会に持ち込むのにしばらく手放せない作品になりそうです!
BOOTHとボドゲーマで通販の取り扱いがありますので、気になった方は見に行ってみてください。