今回のお話はこちら。
- 天鳳と雀魂の段位を比べるとどうなる?
- それぞれの段位のプレイヤーってどれくらい強いの?
- フリーで強い人にネット麻雀を打たせるとどうなるの?
- 逆にネットでどれくらい強くなればフリーに行っても大丈夫?
ネット麻雀を打っていると結構皆さん気になることだと思います。
カッコ内の数値は、金の間以上で対局経験がある全プレイヤーのうち、その段位のプレイヤーがどれくらいの位置にいるかを示します(時期によって分布は多少変わりますが、いつでも概ね記載している数値から±1%以内に入ると考えて良いレベルのブレです)。
Contents
雀傑3~雀豪1 – まだまだ趣味レベル(上位40~24%)
基礎順位点:110/55/0/-165
金の間~玉の間ループ勢です。天鳳四段程度に相当します。
この段位の打ち方はプレイヤーによってまちまちです。4回ポンして対々和のみの仕掛けをするようなプレイヤーもいる一方で、全ての牌に放銃の恐怖を感じて地蔵のように全く動かないプレイヤーもいます。なので「雀豪1です」と言われても「ああ、ルールは知ってるんだな」ぐらいの情報にしかなりません。めちゃくちゃ強いけど雀魂やってない人であるケースもあるにはありますが、そんなレベルの人はこの段位を一瞬で通過してしまうので、非常にレアなケースです。
一般的にこの段位のプレイヤーの九割以上はまだ牌効率が完璧にできていません。打ち方を確認してみれば確実にどこかにおかしなところがあり、その影響で上の段位のプレイヤーの餌食になっています。
※この段位でフリー雀荘に行ったら、まず間違いなくボコボコにされます。対戦相手の方は喜んで同卓してくれると思いますが。
雀豪2 – 「ちょっとは」打てます(上位8%)
基礎順位点:110/55/0/-180
玉の間で安定していますが、徐々に厳しさを感じている頃でしょう。天鳳五段程度に相当します。少なくとも初級者脱出とは言えるレベルです。
大学生になってから麻雀を覚えた人が、特に努力せずに辿り着ける段位としてはこの辺りが限界だと思います。もし全く勉強せずにたどり着けたのならセンスは十分です。
雀豪3 – 押し戸を引いて開けようとする(上位4%)
基礎順位点:110/55/0/-195
天鳳六段程度に相当します。特に放銃に対する意識が固まってきているレベルなので、基礎から離れたシチュエーションで事故が起きるとすぐキレます。
ネットから麻雀をはじめてこの段位に到達したタイプの人だと、フリー雀荘では長期的にプラスになることはないでしょう。一方で、フリー雀荘で散々打ってきてまあまあ強いと言われる人でもこの段位に辿り着くのはそれなりに苦労します。それぞれのルールに対する打ち方の差についての正しい理解がないと、この順位点の傾斜を突破できません。
教科書通りの打ち方を徹底して到達できる段位はこの辺りまでで、この先は個々の状況に的確に対応していく力が求められます。特に適切に攻めることについて考えなければならない頃です。
雀聖1 – 雀ゴロの限界?(上位2%)
基礎順位点:110/55/0/-210
天鳳七段程度に相当します。格下をボコボコにすることはしょっちゅうですが、格上との対局ではまだまだきちんと差をつけられて負けるレベルです。要するに雀豪と雀聖、雀聖と魂天は決して運の差ではないということです。
フリー雀荘で最強と言われているレベルの人が何かの間違いでこの段位にたどり着けるかどうか、と言ったところです(辿り着けさえしなくても特に驚きではないです)。顔も見えない相手に対して、トップ取りと素点稼ぎに特化した打ち方を修正できないと、この辺りで限界が来ます。
ちなみに、これくらいの実力になってくると、プロ試験を受けて合格することができます(ただ受けて合格しただけでは一番下のリーグに入れられるだけで何も得られるものはないのですが……)。
雀聖2 – 友達の半数が麻雀関係(上位1%)
基礎順位点:110/55/0/-215
天鳳八段より少し弱い程度に相当しますが、対戦しているフィールドに差がありすぎる(玉の間は雀傑3~雀豪1ループレベルのプレイヤーもいる)ため、これ以降は天鳳と雀魂の比較はあまり参考になりません。
大学の麻雀サークルなど、一日の大半を麻雀に費やせる(?)環境にいるとこれくらいの段位に到達する人がちらほら出てきます。麻雀サークル等ではない大学の友人や同じ職場にこのレベルがいたら驚くレベルです。少なくとも片手間で上がれる段位ではありません。
このレベルになってくると、何も情報を渡されずに初対面で対局しても強さが感じられるようになってきます。フリーで同卓すると「なんかこの人守り固くて変な放銃しないなあ」と感じるかも。
雀聖3 – 打牌音の幻聴で不眠(上位0.45%)
基礎順位点:110/55/0/-240
天鳳八段程度に相当します。
ここまで来るとかなり極端な打ち方をしている人も多く、雀聖3でぴったり止まってしまう人というのは逆に珍しいです(もっとも、昇段にも降段にも一番時間がかかるのがこの段位なのですが)。トッププロですらすんなり昇段するのは苦しい段位点配分なので、ここまで来ることができれば問題なく自慢していいレベルです。
玉の間の順位点配分は冷静に見るとかなり異常で、トップ2回をラス1回でチャラにされてしまいます。言うまでもなくラス回避の重要性が恐ろしく高いです。人によってはラス回避用の麻雀に特化し過ぎて、普通のルールにするとあまり実力を発揮できない、という事態に陥っていることすらあります。
魂天位 – (上位0.15%)
天鳳九段以上に相当します。
逆に言うと、天鳳九段以上が全部ひとめとめにされているようなものなので、魂天位の中だけでも実力にはまだ差がつけられますが、まあ下から見上げる立場であれば些細なことでしょう。
ここに到達するまでずっと玉の間で打っていればよい(天鳳で言えば、鳳凰卓と同じ点数配分のまま特上卓で打たせてもらえるようなもの)ため、実際天鳳位を取るよりは遥かに簡単です。実際に魂天タッチしたアカウント数が1000を超えていることを考えてもそれがわかると思います。
別にコメントするまでもなく、確実に強いです。一応運でタッチすることも不可能ではないということを考慮してもなお地力は十分です。魂天Lv.2以上ともなるともはやまぐれで説明できるレベルを超えており、異次元の強さになってきます。このレベルであればネットでもリアルでも関係なく鉄強で、長期的に負け越すことはほとんどありえません。
ちなみに、トッププロであれば、時間さえかければいつかは到達します(全員が全員そうというわけではないでしょうが、大半はそうです)。麻雀は運が7割とかよく言われますが、見えないところでそれくらいの差があります。
おまけ – 短期成績で段位はどれくらいブレるのか
かつて天鳳がネット麻雀の最大手だった頃、天鳳名人位まで取った著名なライターの方が十段から五段まで落ちたという話があります(下振れと明言はされていなかった気がしますが、結構なダウンスイングでしょう)。
途中七段前後での往復もあるので単純に滑り落ちたわけではないというのもありますが、その降段劇に要した対局数は累計すると数百戦に及ぶはずです。数百戦打ってそれなので、よく多くの人が嘆くような数十戦程度の不調だとブレ幅は途方もないものになります。
手前味噌ですが、参考までに私が激しい好調と不調を引いた時の戦績を見てみましょう。
これが好調時の戦績。そして、
これが不調時の戦績です。
※月単位で見て成績の良かった時期と悪かった時期を恣意的に抽出しています。
対局数は50前後と多くはありませんが、異常な数値です。かたや魂天待ったなし、かたや玉の間落ちすら視野に入ります。いかに短期成績があてにならないかがわかります。
では実際どれくらい打っていれば収束するのか、ということが当然気になると思います。
収束は実際の実力に差があればあるほど早いので、一概には言えません。ただ対局数が4桁にもなっていてまだ雀豪以下なら、それは実力相応の段位と言えます。本当に強い人は対局数1000も行かないうちに雀聖以上、場合によっては魂天位にまで到達します。
もし実際の実力が雀聖以上クラスなのであれば、雀豪以下の段位で下振れを引いて降段まで持っていかれるというのは非常に考えづらいです。そもそも極端なレベルの上ブレ、下ブレを引くこと自体が非常に低確率であるということを忘れてはなりません。
数百~2000pt程度のロスであれば一時的な下振れということもできますが、雀豪以上で昇段直後のフラットな状態から降段を喫してしまったなら、それはかなりの確率で実力と言えるはずです。
おわりに
ここまで書いた話は一部は個人の感想の部分も含んでいますが、段位の比較などは概ねデータに則っているので大きく外れていることはないはずです。参考までに。
それでは、よい雀魂ライフを。