【ボドゲレビュー】ロミオとジュリエット IFストーリー (RMBC) – ただのババ抜きと侮るなかれ。運命の二人を引き合わせよう

最終更新日が2023年以前の記事です。レイアウト変更のため、正常に表示されない場合があります。

「ボードゲーム初めてのお友達とボドゲカフェ行きます!おすすめありませんか?」

ボードゲーム趣味がかなり広く知れ渡ってきた昨今、このような質問を日々目にします。皆さんならば何をおすすめするでしょうか?

有名どころのゲームもいいですが、ボードゲームの世界に招待するのなら、覚えるのが簡単で、世界観がわかりやすくて魅力的なものがいいでしょう。ここにピッタリのゲームがありますよ。

RMBCより、ロミオとジュリエット IFストーリーのご紹介です。

……余談ですがこれも一応ゲームマーケット2022秋新作のレビューです。すごい遅くなりました。

どんなゲーム?

時は14世紀。

あなたは、ヨーロッパの都市国家ヴェローナにいる貴族の1人です。

ヴェローナでは、モンタギュー家とキャピュレット家という2つの大きな家が対立していました。

対立が続く中、モンタギュー家のロミオとキャピュレット家のジュリエットが愛しあっているという噂が流れてきました。

この噂を聞いた貴族の家長たちは、こう考えました。

「これは、両家のわだかまりを解いて、手柄を立てる良いチャンスではないか!」

そして、あなたは所属する貴族の家長より命令を受けたのです。

『ロミオとジュリエットを幸せにせよ。』

様々な人物を動かし、他の貴族よりも先に、ロミオとジュリエットを幸せにしましょう。

https://gamemarket.jp/game/179812 より引用

ロミオとジュリエットをそろえれば勝利。単純明快なババ抜き風カードゲームです。

  • プレイ人数:3~6人
  • 対象年齢:10歳以上
  • プレイ時間:10分
  • 原作:RMBC
  • 発表年:2022 (ゲームマーケット2022秋新作)

チャートは当HP独自の採点基準により作成しています。
全体的に右に寄っているものほどパーティーゲーム向け、左に寄っているものほどじっくり考えるボドゲマニア向けです。

デザイン:キャラクターたちのイラストがどれもかわいい!

盛り上がり:ただのババ抜きと比べてかなりダイナミックにカードが動くので、かなり盛り上がります。

運要素:基本的には運ゲーですが、「ババ抜き力」が出るとのウワサも……。

ルールの複雑さ:コンセプトが勝利条件そのものなので、インストが簡単です。

その他:カードスリーブはTCGサイズ36枚。

こんな人にオススメ

  • 同級生やサークル仲間と気軽に遊べるゲームを探している人
  • ボードゲームやったことない人も交えて遊びたい人
  • シェイクスピアとかちょっとかじっている人(?)

プレイ風景

ルールは簡単。手札がロミオとジュリエットの2枚だけになった瞬間、そのプレイヤーの勝利になるババ抜きです。これだけでゲームの全容がだいたい想像できます。直感的にわかりやすいゲームデザインというのはどんなジャンルのゲームにおいても多くの人を惹きつける重要なポイントですね。

ちょっと捻ってあるのは、ペアが揃ったらすぐに出すわけではないということ。

最初の手札を全員均等になるように配ります。カードは31枚なので端数が出ますが、ババ抜きなのでその辺りはテキトーで構いません。そして各自手札を確認します。

ババ抜きなのでとりあえず手札を見てペアを全部捨てたくなりますが、ちょっと待って! この時点でペアがあってもまだ出しません。

手番になったら、右隣の人からカードを1枚引きます。これはババ抜き。

手札にペアが揃っていたら、必ず1組を選んで出し、書いてある効果を実行します。2組以上のペアがある場合でも、1組だけを出します。

この時、プレイヤーはカードを表向きにして出すか、裏向きにして自分の前に置いておくかを選ぶことができます。

裏向きにしておいたカードは後のターンで表向きにしてその効果を使うことができるようになります。つまり、後で使いたい効果は保留できるわけです。ただし、裏向きにしておいておけるカードは1組だけなので、既に裏向きのカードがある場合は表向きにして出すしかありません。

ペアにできる全てのカードは、全て出した時に発動する何らかの効果を持ちます。それによってロミオとジュリエットが移動したり、手札のカードの受け渡しが起きたりします。

手札のカードが全てなくなったら……勝ちではなく、負けです。憤死します(ルールにそう書いてある)。もう一度言います。憤死します。普通はババ抜きなのでカードを揃えたいものなのですが、うっかり全部揃わないようにお祈りする必要があるということです。

上手くペアを作って手札がロミオとジュリエットだけになれば、勝ち。

他の人に余計な1枚を引いてもらって手札がロミオとジュリエットだけになれば、それも勝ち。

カードの効果で手札がロミオとジュリエットだけになれば、それもまた勝ちです。

ババ抜きで「実力が出る」……?

人が集まった際にこのゲームを実戦投入した時の出来事なのですが、6人プレイで7戦やって6勝するというとんでもない勝率の人が一人現れました。

曰く、カードをどう持っているか、どこを抜かれやすいかは見ているらしいのですが……。

まあロミオもジュリエットも一度も見ないまま終了したのでどうしようもないゲームもあったとはいえ、あまりにも勝率が高いので偶然というわけでもなさそうです。

ババ抜きだからと軽い気持ちで遊んでいたら容赦なくボコボコにされたお話でした。こわ。

総評

導入がしやすいだけでなく、ババ抜きというコンセプトからは想像できないほど盛り上がるゲームです。

ちょっと変わっていることとして、他人のカードの効果で仕方なく負け、という状況を除くと、うっかり手札にペアが揃ってしまう、使いたくないカードの効果を使わざるを得なくて負ける、などで自ら負けを宣言しなければならないことが多いです。「手札にペアができたら必ず出す」というルールについては性善説に基づいているルールなので、いくらルールが簡単とはいえ負けを渋るような年齢のお子さんには向いてないかも。そのため基本的にはファミリー向けというより、同年代でわいわいやるゲームです。