【ボドゲレビュー】Floriferous(フロリフェラス)日本語版 – 休日は花咲く庭で。フラワーアレンジメントのボードゲーム

少し前にも花を題材にしたボドゲを扱いましたが……。

なんとまたしても素敵な新作です! じゃじゃーん!

今回はフラワーアレンジメントをしますよ!

どんなゲーム?

花畑から花や彫刻を集め、自分だけの素敵な庭園を作るゲームです!

  • プレイ人数:2~4人(1人プレイ対応)
  • 対象年齢:14歳以上
  • プレイ時間:~30分
  • 版元:Penicil First Games, LLC
  • 発表年:2021

チャートは当HP独自の採点基準により作成しています。
全体的に右に寄っているものほどパーティーゲーム向け、左に寄っているものほどじっくり考えるボドゲマニア向けです。

デザイン:テーブルに広げた瞬間から庭付きの一戸建て。最高。

盛り上がり:欲しいカードが共通していることも多く、露骨に取り合いになります。

その他:カードスリーブはポーカーサイズ(64×89mm)、ハーフサイズ。外箱は持ち運びに問題ないサイズ。
バランスの取れた良作です。

こんな人にオススメ

  • とにかく花が好きな人
  • 3人プレイ用のゲームを探している人
  • じっくり考えたい人とてきぱきやりたい人が共存している場に持ち込む人
  • プレイングで自己主張したい、させたい人(いろんな点の取り方ができます)

プレイ風景

花系のボードゲームにありがちなことですが、コンポーネントがウルトラきれい。はい満点。

この時、マットを暖色系にすればよかったと思っています。

花カード、アレンジメントカード、庭石カードなど合わせて60枚。カードはエンボス加工もしてあるので、扱いやすくていいですね。その他小物類もいくらか入っています。

細かいコンポーネントが箱にぴったり収まるようになっているのもポイントが高いです。ボドゲをたくさん持っている人ならわかると思いますが、おさまりが悪いボドゲ、地味に困りますからね。

基本的な骨格は、「ドラフトして集めたカードで点数を競う」というタイプのゲームです。花畑からフラワーアレンジメントに使うための花を集めていきましょう。

手番の取り方が独特です。まず初期盤面がこんな感じ(これは4人プレイです)。

花畑(中央のボード)の左側にプレイヤーコマが4つ並んでいます。このコマが上の方にある人から始めます。

①自分のコマがある場所のひとつ隣のタテ列から好きなカードを一枚取り、②カードがあった場所に自分のコマを移動します(下図参照)。

こうすると、全員が自分のターンを終えた時に並び順が入れ替わります。

次のターンはこの時点でコマが上にある人から、同じように花を摘むのです。図の例だと、最初は「赤黄緑青」の順だったのが、次は「黄青赤緑」の順になります。ほほぅ。

そうなると次のターンで優先的に手番がもらえる上の方にある花を取りたいところですが、上の方にある花は裏向きになっていて中身が何だか確認できないままで取らなければいけなかったり、下の方にある花は小石(ちょっと点数源になります)のおまけがついてきたりと、そう簡単にはいかないのです。ユニークなシステム!

これを左から右へ、全ての列が捌けるまで繰り返していくと、ボードが空になりますね。

そうしたらまたカードを補充して、今度は右から左へと戻りながら花を集めていくのです。

最後は集めた花を点数にするのですが、花自体が点数になるのではなく、与えられた目標を達成しているかどうかで点数の付き方が変わります。

花そのものには点数がなく、「どういう花が何点になる」という条件のカードをピックして初めて点数が生まれます。そのため点数の取り方の自由度が高いのが特徴。

最終的に負けたとしても「いやこっちの方が花の彩りはきれいだし」と謎の意地を張ることもできます(?)

総評

ルールは簡単なのにできることの幅が広いので、ボドゲをやっている感はとても感じられますね。誰が何を欲しがっていて、何が競合しそうで、……などなど、先読みもしたくなるゲームデザインです。一方で純粋に見た目がいいので、これをぱっと見て「やってみたい!」と思ってくれる初心者も多いはず。人数を問わず楽しく遊べるので、かなり出番が多くなるボドゲになること間違いなしです。ボドゲやってる感、満足感は随一。おすすめです。たまにちゃぶ台返し事案が起こるのはご愛敬。それもまたボドゲ。

もし皆さんがこの見た目に少しでも惹かれたのであれば、ジャケ買いしても後悔はしないと思います。見た目を裏切らない良作です!


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