【ボドゲレビュー】Magic Maze(マジックメイズ) – コミカルな絵柄と支離滅裂なストーリー。大人数協力型大混乱ゲーム【インストもあるよ】

ストーリーだけ見て爆笑したので買ったゲームです。

今作の舞台はショッピングモール! 大都会の喧騒、デパートのきらびやかさ、買い物を楽しむ人たちの幸せな雰囲気……とは無縁のぶち壊しゲームです。へっへっへ。

どんなゲーム?

簡単に言うと全プレイヤー協力型の脱出ゲームです。ですがもし他の人にストーリーを説明する時は、以下の文章を噛まずにすらすら言えるようにしておいてください。

武器をなくしたスーパーヒーローたちがショッピングモールに忍び込み、こっそり武器を盗んでとんずらするゲームです。

めちゃくちゃかよ。

  • プレイ人数:2~8人 (1人プレイ対応)
  • 対象年齢:8歳以上
  • プレイ時間:15分程度
  • 発表年:2017

チャートは当HP独自の採点基準により作成しています。
全体的に右に寄っているものほどパーティーゲーム向け、左に寄っているものほどじっくり考えるボドゲマニア向けです。

デザイン:カラフルでコミカル。パーティー感が出ます。

運要素:欲しいタイルが山の奥底に沈んでいたりすると地獄を見るハメに。そういう意味では運ゲーとも言えます。

ルールの複雑さ:ルールは簡単なので誰にでもできますが、頭がごちゃごちゃになってフリーズする人が多いです。だがそれがいい。

その他:2017ドイツ年間ボードゲーム大賞ノミネート作品。2018年、MENSA おすすめのボードゲームに選出。他受賞歴多数(多すぎて書ききれない)。
際限なくボードが広がるのでプレイスペースは超広め推奨。最低80×80cm(これでもかなりギリギリ)。
コンポーネントに対して箱が大きすぎる。
拡張版あり。本記事でも紹介します。

こんな人にオススメ

  • このゲームの見た目が好きな人。
  • 頭の回転の速さに自信がある人。
  • 大混乱を愛する人。

プレイ風景(インスト手順)

ルールの複雑性はそれほどでもなく理解は難しくないのですが、ゲーム中のある制約によって難易度が高いゲームです。初心者を含む初プレイ時はゲームの魅力を理解してもらうため、以下の手順に沿って、体験→本番、の順で最低2回プレイすることをお勧めします。

ここでは実際にそのインストをする際の手順でゲームを紹介します。

基本ルール(体験プレイ)

プレイヤーコマは4つ。「各々が対応する武器を手に入れて(フェーズ1)」、「それぞれの脱出口から脱出する(フェーズ2)」のが目的です。

ただし、1人が1つのプレイヤーコマを担当するのではなく、全員が全てのプレイヤーコマを動かすことができます。

行動は7種類あります。(※画像はイメージです)

・移動(東西南北4種類)
対応する方向へ、任意のプレイヤーコマを動かします。壁を飛び越えることはできません。一度に何マス動かしても構いません。
方角はタイルに記載してあります。

・エスカレーター
エスカレーターが接続しているマス同士を行き来させることができます。

・ワープ
プレイヤーコマがそれぞれ対応する色のワープマスに乗っている時、そのコマをボード上の同じ色のワープマスにワープさせることができます。
ただし、全員が武器を手に入れたあと脱出口に向かうまで(フェーズ2)の間は、警報が作動してワープを使用できなくなります。

・探索
対応する色の探索マスにプレイヤーコマが乗っていて、その先のスペースが未探索である時に使用できます。フィールドタイルを山札から新たに一枚めくり、白い矢印が探索マスと接続するように配置します。

各プレイヤーに行動タイルを配ります。それぞれのプレイヤーは、自分の行動タイルに書いてある行動しかできません!

あなたは4種類の駒をどれでも動かすことができますが、手元に東方向移動のタイルしかなければ、どのコマも東に動かす以外の権利がないのです。その他の行動は他のプレイヤーにやってもらうしかありません。

初期配置はこんな感じ。

最初の時点では、フィールドは最初のタイル一枚分しかありません。そのため、探索を行ってフィールドを広げつつ、対応する武器が置いてあるタイルや出口があるタイルを探し出す必要があります。

これらの行動はターン制ではなく、リアルタイムに行動可能です。それぞれの行動はそれが可能であればいつでも行うことができます。

同時に、このゲームには制限時間があります。ゲーム開始と同時に付属の砂時計を動かし、砂時計が落ち切ってしまった場合、全員の負けになります。

砂時計は、以下の条件を満たすと一時停止させることができます(砂時計を横に倒します)。

  • プレイヤーコマのうちいずれかのコマをマップ上にいくつか存在する未使用の砂時計マスに止める
  • フェーズ1を完了する(全てのプレイヤーコマが対応する武器のマスに到達する)

砂時計を止めるごとに、行動タイルを左隣のプレイヤーに渡します(これにより自分ができる行動が毎回変わります)。時間が止まっている間は方針などを自由に相談することができます。次に誰かが行動したら砂時計をひっくり返してゲームを再開します。使用済みの砂時計マスには×印が付き、再利用はできません。

砂時計という道具の性質上、時間ギリギリまで待ってから止めると残り時間を大きく稼ぐことが可能です。逆に中途半端なところで砂時計を止めると残り時間が非常に厳しくなります。

砂時計が落ち切る前に、全てのプレイヤーコマを対応する脱出口まで移動させられたら全員の勝利になります!

重要なルールの追加(本番!)

では、本番です。練習ではあえて説明しませんでしたが、重要なルールを追加します。

会話禁止です。

ひえっ!!

意思疎通の手段として、赤いコマが1つだけ用意されています。もしもなにか伝えたいことがある場合は、このコマをプレイヤーの前にただそっと置いてください。

より厳密に言うと、以下の行動は全て禁止です(これらの行動を禁止するかどうかはプレイヤー間の合意にお任せします)。

  • ジェスチャーをする。
  • どこかを指差す。
  • 赤いコマをプレイヤーの前以外の場所に置く。
  • 物を叩く。
  • 踊る。

ただし、砂時計が止まっている間だけは、例外として会話が許可されます。この間に方針などをしっかりすり合わせておきましょう。

それでは、本番です。よーいどん!

難易度はどんどん上がる(3回目以降)

各プレイヤーコマの役割

プレイヤーコマは4色あり、それぞれヒーローならではの特性を持ち合わせています。

ドワーフ(オレンジ)

マップ上にオレンジ色の穴が開いた壁が現れます。ドワーフだけは小さいのでこの穴を通れます(普通の移動時にオレンジ色の壁を無視できる)。

エルフ(緑)

エルフが探索をした場合、次に誰かが行動するまでの間は会話が可能になります(ただし、砂時計は止まりません)。

魔法使い(紫)

マップ上に紫色のアイコンの水晶玉マスが現れます。魔法使いがこのマスに止まっている時、探索行動ができるプレイヤーはこれを使用して一度に2枚の探索を行うことができます。

タイルの配置はどこにしても構いません(探索マスにプレイヤーコマがなくても良いし、魔法使いの探索マスでなくても良い)が、向きは通常通り白い矢印を探索マスとつなげるように置く必要があります。使用した水晶玉マスには×印がつき、再利用はできません。

バーバリアン(黄色)

マップ上に黄色いアイコンの監視カメラが設置されているマスがあります。アクティブな監視カメラが同時に2つ以上ある場合、全てのプレイヤーは探索ができなくなります(マップが広がらなくなる)。

バーバリアンは監視カメラのマスに止まることでこれを破壊できます。破壊した監視カメラには×印がつき、以降アクティブではなくなります。

さらなる高みへ(公式縛りプレイ)

このゲームの説明書にはチャレンジモードと称して色々な縛りプレイが掲載されています。プレイに慣れてきたらぜひ挑戦してみましょう。以下は一例です。

一度に2つ以上のプレイヤーコマを同じタイルの上に置くことができない。

スタートタイルを2枚用意し、プレイヤーコマを2つずつ配置する。それぞれのスタートタイルは接続しておらず、ワープでしか行き来することができない。

※フェーズ2に移行する際にワープが禁止されるため、配置によっては詰む可能性がある。

拡張もあるよ

ここではその全容を紹介することはしませんが、MAXIMUM SECURITY(マキシマム・セキュリティ)という拡張版も販売中です!

お助けチップや追加タイルなどの難易度を上げ下げする様々なコンポーネントを含み、かなり幅広いバリエーションで遊ぶことができるようになります。

全て使うと警備員コマが増え、レーザーが増え、ドワーフは壁をぶち壊すわ魔法使いは透明になるわ、難易度は恐ろしいことに……当然こいつらも全部自力で動かしていかなければなりませんし、制限時間は据え置きです。

こちらは完全にゲームに習熟したヒーローたち向けです。求む、挑戦者。

こちら、実は人気商品のためお高めです。ちょっとでも安くなっているなと思ったら即ポチ推奨。Amazonが割安な傾向があります。

難しすぎるんじゃ!という人のために:子供向けもあるよ

やさしい入門編もあります。

持ってる人の家やボドゲカフェでやってみた、楽しいけど難しすぎる! という人のために。

こちらから入って慣れたら本家に挑戦、でもいいかもしれませんね。拡張ではなく独立した別のゲームなので混ぜて遊ぶことはできません。こちらの方が後から発売されたゲームなので私は持っていないのですが、絵柄がかわいいですね。買っちゃおうかな。

総評

私は好きですが、好き嫌いがはっきりと分かれるタイプのゲームです。

ボドゲカフェに置いてあったら一度プレイしてみてください。とても頭を使うので、好きな人はめちゃくちゃ好きなタイプのゲームです。特にハマった人が複数人いれば、ルールの拡張性が高いのでこれ1つでいつまででも遊べるでしょう。そんなシチュエーションは滅多にないと思いますが、7人プレイに対応している希少なボドゲでもあります。

本場ドイツで多数の賞を受賞したこともあり完成度は非常に高く、なんだかんだと言いつつ大人気作品なので、割と入手困難です。見かけたら買えるチャンスを逃さないようにしましょう!


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