【ボドゲレビュー】MARINE GO ROUND(ソラガメスタジオ) – 海流をぐるぐる巡る構築型すごろく。ボードゲームのエッセンスを凝縮した傑作でした

キレイな海は好きですか?

白砂が広がる穏やかで遠浅な海、ダイビングにもってこいな南国の海、水族館のような人の手で整えられた海。どれもいつ見ても美しく、何度でも遊びに行きたい憧れの海ですね。

今回はそんな豊かな海をテーマにした構築型すごろく、「MARINE GO ROUND(マリンゴーランド)」をご紹介します! デザインもさることながら中身もとても濃く、短時間で気持ちよく遊べるゲームでした。

ぐーるぐーる。

海のいきもののぬいがたくさんやってきました。たのしみなものだなあ。

どんなゲーム?

ここははるか遠くの海域。この海域には海の生き物たちにとって夢のような円形の海流がありました。水流が一定の速度を超えると空気を蓄え、餌を取り込み、循環し始めるのです。その特徴的な見た目からいつしかこの海流は「マリンゴーランド」と呼ばれるようになりました。あなたもこの海に潜って生き物たちと泳いでみませんか?

海の生き物たちとともに楽園をつくりあげましょう。 

https://soragamestudio.com/boardgames/marine-goround/

タイルを自由に配置して有利なすごろく盤を構築しつつ、盤を周回して勝利点を集める構築型すごろくです。

  • プレイ人数:1~2人
  • 対象年齢:10歳以上
  • プレイ時間:20分
  • 原作:ソラガメスタジオ
  • 発表年:2022(ゲームマーケット2022秋新作)

チャートは当HP独自の採点基準により作成しています。
全体的に右に寄っているものほどパーティーゲーム向け、左に寄っているものほどじっくり考えるボドゲマニア向けです。

デザイン:水族館のおみやげコーナーにあっても全く違和感のないデザイン。

盛り上がり:最初はのんびりしていますが、ゲームが進んでくると急展開に。緩急の落差がすごくてビックリ。

運要素:ベースはスゴロクです。

こんな人にオススメ

  • 水族館が好きな人
  • 他人とは違うことをして勝ちたい、自分のプレイングを主張するのが好きな人

ソラガメスタジオ様の公式HPはこちら!

プレイ風景

ルールの概略はこんな感じです。実際にプレイしてみましょう!

まずはタイルを9枚並べて自分の海流を作ります。これがあなたが使うすごろく盤になります。最初はそれぞれ赤、黄、青のえさチップを1つ獲得できるだけの地味なすごろく盤です。

その他のタイルはよく混ぜて中央に積んで山札にします。上から9枚をめくって、真ん中にプールとして公開します。

2人プレイだとこんな感じ。

自分の番になったらサイコロを振って海流を時計回りに進んでいき、止まったタイルの効果を解決して終了(サイコロは1~3しか出ません)。一周するごとに勝利点を1点得られます。

基本的にはこれだけなのですが、このゲームでは集めたエサを使ってプールからほしい生き物のタイルを取ることができます。

タイルを手に入れたら、既に置いてあるタイルのうち好きなものと入れ替えます。こうすることであなたの海流がどんどん豊かに、強くなっていきます。止まった時のリターンがどんどん増加するほか、一回の手番で連鎖的にいろいろなタイルの効果を一気に発動させることだってできるようになるのです。

プールには6種類の生き物のタイルがあり、それぞれ必要なえさチップの色が違います。生き物によって得意としている作戦が違うので、好みに合わせて取りましょう。

SARDINE (イワシ)えさをたくさん集めるのが得意です。大量のえさを直接勝利点に変換するタイルも持っています。
PENGUIN (ペンギン)狙って連鎖させるのは難しいですが、ペンギン同士で連鎖させると1回の手番でサイコロをたくさん振れたり、えさがたくさんもらえたりします。
TUNA (マグロ)えさを消費して高速で進みます。スピードが速いのが取り柄です。
SEA LION (アシカ)赤+黄狙って連鎖させるのは難しいですが、アシカ同士で連鎖させることができれば直接勝利点が手に入ってしまいます。
SEA TURTLE (ウミガメ)黄+青盤面にいるウミガメの数だけ移動が速くなります。仲間をたくさん集めたいタイルです。
HAMMERHEAD SHARK (シュモクザメ)青+赤シュモクザメ同士で連鎖させると、タイルを削って一周の長さを短くしてしまいます。逆転を起こしやすい生き物です。

緑色のウミガメは黄+青というように、必要なチップの色が直観的にわかるようになっているのもポイントです。

最初はサイコロを振ってエサを得られるだけなのでのんびりしたゲームだなー、と感じるのですが、タイルが集まってくるとあるところから急に展開が早くなり、一気に海流をすごい勢いで進んでいくプレイヤーが現れます。この緩急の差には驚かされること間違いなしです。

たとえば、ゲームを進めていくと……

イワシ(SARDINE)で赤いえさを大量に集めました。

こちらはシュモクザメ(HAMMERHEAD SHARK)。盤面のタイルを減らして一周を早くしてしまいます。

最後は勝利点をたくさん持っている方の勝ち。数が同じならスタート地点により近づいた方が勝ちになります。あれ、右側の海流、タイル減りすぎ……?

総評

ゲームのコンセプト、ルールの明快さ、驚きと楽しみ、ボードゲームに必要なものをぎゅっと小さな箱にまとめた良作でした。

限られたスペースで毎回違う盤面が楽しめるので繰り返し遊びたくなる魅力のあるゲームです。勝っても負けても自分のプレイングが楽しめるゲームなので、満足感の高いゲームですね!

Amazon等大手では扱いがありませんが、通販も行っています。数には限りがあるので、在庫を見かけたら即ポチ推奨です!