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ボドゲマニアの皆さんならそんなことはとっくにご存じでしょうが、BoardGameArena というサイトがあります。知らなかったという人は今日はこれだけでも覚えて帰ってください。
BoardGameArena はブラウザ上でいつでもどこでも誰とでもボードゲームが楽しめる、オンラインボードゲーム専門のサイトです。有名なボードゲームはあらかた網羅されており、登録もGoogleアカウントなど各種サービスを連携させれば一発です。対戦相手も世界中からアクセスがありますので、一人でも基本無料で好きなだけボドゲを楽しめる優良サイトです(一部有料サービスもあります)。
当サイトでも、BGAでプレイ可能なボードゲームを時々紹介しています。ボードゲームとジャンル分けできれば何でも良いらしくチェスやオセロなどの古典的なゲームも取り揃えていて、有名どころのゲームが多い印象ですが……
なんと、自作のボードゲームをそのままBGAに実装してしまった猛者が現れました。そんなことできるんだ……。
このニュースはプレイヤーはもちろん、クリエイター側の皆さんも気になったのではないでしょうか。自分の作ったゲームを気軽に遊んでもらえる環境を作るというのは言葉にするのは簡単ですが実際大変難しいお話ですからね。
既にβ版としてプレイできるようになっていますので、早速遊ばせてもらいました。
Contents
どんなゲーム?
一風変わったプレイ感のトリックテイキングゲーム。
- プレイ人数:2~4人
- 対象年齢:10歳以上
- プレイ時間:20~30分
- 原作:OR-U(おるー)
- 発表年:2021
チャートは当HP独自の採点基準により作成しています。
全体的に右に寄っているものほどパーティーゲーム向け、左に寄っているものほどじっくり考えるボドゲマニア向けです。
デザイン性:フレーバー色濃いゲームというよりはアブストラクトに近い雰囲気です。
運要素:現時点では慣れている人がまだ少ないので何とも言えませんが、トリックテイキングというゲームの性質上かなりシビアなものになると思います。
ルールの複雑さ:最低限ブリッジ系のゲーム(ハーツとかでも良い)をやったことがないと難しいかも。その上でとにかくまず一度やらないことには絶対にわからない! ルールと点の取り方を理解してからが本番です。
その他:BGAでは10分程度で楽しめます。
こんな人にオススメ
- ブリッジ系のゲームが好きな人
- 新しいゲームメカニクスへの対応を楽しみたい人
- 適応力に自信がある人
プレイ風景(ルール説明もこちら)
1人6枚ずつカードを配ります。カードの内訳は火(赤)・水(青)・木(緑)の数字カードと、無色の偽カード。偽カードは複数枚ありますが、それ以外のカードは各1枚ずつで、同じカードはありません。
火・水・木のカード | 偽カード | |
---|---|---|
2人 | 各色2~6(15枚) | 2枚 |
3人 | 各色2~7(18枚) | 1枚 |
4人 | 各色2~8(21枚) | 3枚 |
余ったカードは使用せずにわきに置いておきます(4人プレイの場合は24枚を6×4に配るので、余りのカードはありません)。
また、共通ストックに、赤・青・緑の宝石を各6個ずつ用意します。
ラウンドの流れ
最初の親を決める
最初に手札から好きなカードを1枚選び、一斉に出します。これで手番が決まります。最も強いカードを出した人が最初の親になります。カードの強さについては後述します。
手札のうち1枚は親決めのためだけに消費してしまうというのがユニークですね。これによって多少手の内が透けるかもしれません。勝負は既に始まっています。
トリックを5回やる
親は共通ストックから宝石を1つ選んで場に置きます。これがそのトリックの勝者が獲得できる宝石になります。
それから手札からカードを1枚選んで、場札として出します。
宝石の色と場札の色は一切関係がありません。赤の宝石を選んで(手札に火のカードがあっても)水のカードを場札として出すことは可能です。
他のプレイヤーは場札の色と同じ色のカードがあれば必ずそれを出します。場札の色と同じ色のカードがない場合に限り、どの色のカードを出しても構いません。ただし、偽カードはこのルールを無視していつでも出すことができます。
最終的に全員が出した札の強さを比較し、一番強かった人が場に出ている宝石を受け取って次の親となります。カードの強さについては後述します。
手札がなくなったら、全てのカードをよく切り混ぜて配り直し、後述するゲームの終了条件を満たすまでゲームを繰り返します。
カードの強さについて
場札と同じスートのカードを出さないと取れないというのがトリックテイキングゲームの基本ですが、このゲームでは色に関係なく数字の大小を競います。以下のルールを上から順に適用します。
- 色に関係なく、常に数字が大きい方が強いです。偽カードは常に0として扱います。
- カードは自分の前に出されたカードの色が特定の色だった場合、その数字が2倍~4倍されます(何倍にするかは各カードに書いてあります)。たとえば、火のカードの直後に出た水の4のカードは、2倍の8として計算します。
- 数字が同じだった場合はカードの色で勝敗を決めます。属性の有利不利の関係があり、火<水<木<火の3すくみの関係になっています。
偽カードにできること
偽カードが場に出た場合、以下の処理を行います。
既に場に出ているカードのうち最も数字の大きいカードと偽カードを交換する。
ですので、基本的には偽カードを後出しするとその時点で最強のカードに成り代わります。親が偽カードを場札として出すこともできますが、この場合交換するカードがないため、親がただの0点のカードを出した扱いになります。またこの場合他のプレイヤーは何色のカードでも出すことができます。
偽カードを最後に出すと、そのトリックは必ず獲得することができます。
偽カードを場札にすることもできますが、必ずそのトリックを落とします。
なお、最初の親決めの時に偽カードを出した場合、0点として扱います。
ゲームの終了条件
ゲームの終了条件はちょっと特殊です。
- 誰かが赤緑青3色の宝石を各2個ずつ以上集めた場合、そのプレイヤーの特殊勝利となり即座にゲームが終了します。
- 共通ストックからどれか一色の宝石が全てなくなった場合、即座にラウンドを終了し、手持ちの宝石の点数を計算します。
そしてこの点数計算がまた複雑で……
- 3色1組の宝石1組につき、+1点
- 2色1組の宝石1組につき、-2点
- 余った宝石1つにつき、共通ストックに残っているその宝石と同じ色の宝石の数が点数になる
多分初見では何が何やら、だと思います。宝石を取れば取るほど強いというわけでもないというのが面白いところで、手札ばかりが強くても勝てるとは限らないわけです。
結局何をすれば勝てるゲームなの?
何回かランダムマッチしているうちに、おおよそやるべきことが掴めてきました。
基本はカウンティング。取りたければ大きい数を
変に気をてらう必要はなく、目の前の宝石を取りたければ大きい数(または大きくなる数)を出しましょう。偽カード以外はそれぞれ1枚ずつしかないので、どのカードが残っているか、どれくらい確実に取れそうかも判断できるはずです。
親で取りたくなければ場札に偽カードを出せばよい
親の場合は偽カードを出すと交換する先が無いので無条件に0点となり、確実に宝石を取らせることができます。不要な色の宝石はこれで押し付けてしまうと良いでしょう。
ストックからなくなった色は点にならない
共通のストックからどれか一色の宝石が全てなくなるとゲーム終了になりますが、この時その色の宝石は何個浮いていても0点扱いになります。相手の得点源の色を見極め、その色を積極的に場に出して涸らしに行くのがコツのようです。
2色目は欲しくないが、取ってしまったら3色目は積極的に取りに行く
2色のペアは-2点、3色のセットは1点になるので、ペアを持っている状態で3色目の宝石が出てきたらその宝石には差し引き3点の価値があります(しかも今後の宝石の出に左右されません)。このゲームで確定の3点手というのは結構強力なので、自分で出すにしろ人から出されるにしろかなり積極的に取りに行くべきでしょう。
総評
β版なのでなかなか卓が立たない時間帯も多いですが、それでも私は何度もプレイできていますので、人はそれなりにいるようです。趣味の人が集まるBGAですからね。
ゲームの質はもちろんですが、何より作者様の熱意と行動力がとにかくすごい。本業の傍ら、趣味でとても色々なことに挑戦されている方で、大変刺激を受けます。
頭であれこれ考えるのも良いですが、一度始めてみないことには楽しいかどうかなんてわかりません。早速遊んでみませんか?
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