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待ちに待った「団結のドミナリア」が、MTG Arena で先行リリースされました。そしてそれに伴いスタンダードはローテーションを迎えます。
さて、団結のドミナリアのカードプレビューが公開されていましたが、皆さんの注目カードは何でしたか?
やっぱりトップレアと目される再録《ヴェールのリリアナ》?
《黙示録、シェオルドレッド》?
いやいや、クソデッキビルダーなら……
帰ってきた Super Crazy Zoo?
これでしょ。
かつてまつがん氏が歴史に名を刻んだクソデッキ、Super Crazy Zoo。あのデッキのそもそもの始まりは《わめき騒ぐマンドリル》でした。ライフで支払える呪文と探査を駆使して1ターン目に何が何でも4/4を着地させるという狂気の発想です。
1マナパワー4。
何と甘美な響きだろう。
だらだらクソデッキ vol.6 -Super Crazy Zoo- https://article.hareruyamtg.com/article/article_302/
さて、このサイクルもそういった意味ではかなり似通った部分があります。特に黒の《のたうつ分解者》は墓地を追放しなくて済むマンドリルのようなもので、サイズもさらにアップしています。雑な表現をすると1マナ5/5です。何なら《ヴェールのリリアナ》が再録されてまた使われ出すことを考えると、それに対して強く出られるこいつが弱いはずがないんですよね。
そう思って改めてSuper Crazy Zoo の構造を見返してみると、現スタンダード環境にはお誂え向きのカードがたくさんあるのです。
《死の影》?
《終末の影》がいます。
《ティムールの激闘》?
《双業火》でなんとか。
これはもしや。あのオールインコンボデッキがまた組めるのかもしれない。
うーん。解散。
そもそもデッキになってないじゃねーか、と。今のスタンダードには能動的にライフを払う手段やいい感じの1マナクリーチャーがありません。墓地も肥やせないので残念ながら1ターン目に《のたうつ分解者》を着地させる手段はありません(たぶん)。
帰ってきた鉄葉ストンピィ?
いや、まだ諦めるには早い。とりあえずパワー5というスペック自体がもう強いんだから、早期ターンに着地すれば強いことには違いないはずだ。
早期ターンにパワー5を着地させるデッキというと、そうです、鉄葉ストンピィですね。マナクリーチャーから2ターン目に5/4威圧が飛び出してくる、さらにブン回れば3ターン目に《原初の飢え、ガルタ》が着地するという、爆発力がどうとかじゃなくて単純に爆発しているデッキです。
2ターン目にパワー5を着地させられれば、実績を残したデッキ並みの動きができるはず。そう思ってカードリストを見返していると……
2ターン目(に着地して、殴る時には)5/3トランプルだ。
トライオームと組み合わせれば理論上は可能です。
3ターン目(ミニ)ガルタだ。
《ニショーバの喧嘩屋》のパワーを参照して3ターン目に5/5トランプルが付いてきます。1T《ラフィーンの塔》から入って版図カウントを稼いでおけば、理論上は可能です。
これはやれるかもしれない。何よりここまで紹介した新セットのカードは全てアンコモン以下。レアのワイルドカード切らなくて済むのがデカい。
そんなこんなで手応えを得たので、鉄葉ストンピィのコンセプトをそのままSCZと融合させて現代スタンダードに持ち込み、完成したのがこちら!
New Generation Zoo だッ!!
どうしてこんなことになってしまったのか
あのこれ黒赤緑デッキですよね?
いや、それはそうなんだけど。版図のためには平地と島を入れざるを得なかった。それだけです。この環境ショックランドないんだもん。
つまりこいつらは1マナの「版図カウントを2増やす」というソーサリーだと思ってください。1マナ域アクションがほとんど存在していないのでこれで成立しています。成立しているんです。いらなくなったらサイクリングしてください。
クリーチャーの選択については、だいたいマナレシオが良さげなやつを片っ端から入れただけです。
こいつは一応トランプルを持っていてマナレシオがいい頭でっかちなので噛み合っており、えらいです。いざという時にキッカーで速攻付与して盗塁を決めることもできます。ちなみに先攻最速の《ヴェールのリリアナ》を返しのターンでぴったり仕留められるので環境に噛み合っており、このデッキでなくても今後普通に見かけるのではと思います。(ここめっちゃ真面目)
後続のトランプル持ちのデカブツに速攻を付与できるのでえらいです。前のめりなデッキにこれ1枚。
で、肝心のフィニッシュ手段ですが、二段攻撃付与の《双業火》はもちろん、こんなやつも。
《溶鉄の大怪物》のマナ総量は8なので、《母聖樹の加護》はうまく回れば2マナ+8/+8です。そうでなくても最低限火力除去をかわすのに使えるし、ブン回ると4ターン目に13/13二段攻撃トランプルというバケモノが突っ込んでいって相手は消し飛びます。
《ガイアの力》に至っては版図カウントが5なら1マナ+5/+5です。つまり《ニショーバの喧嘩屋》にこれと双業火を使ってうっかり通ってしまおうものなら3ターン目に10/8二段攻撃トランプルです。相手は死ぬ。すごい!SCZみたい!
ちなみに除去を全く取っていないのは、どうせトランプルで押し込むから目の前に相手が立っていようがいまいが大差ないからです。力(パワー)に全振りするのに邪魔な奴がいる時だけミッドレンジするとかそんな都合のいい話があるかッ!
実戦投入
クソデッキ、スタンダードイベントに登録する。
7勝するか3敗したら終わりのいつもの厳しいルールです。
1戦目 vs緑単アグロ ○
いきなり《スパーラの本部》《沼》《山》から置ける最高の滑り出し。《ウルヴェンワルドの奇異》も相打ちで叩き潰したところに相手が《シルバーパックの古老》! なんだそれ知らね~!!
しかし相手がこちらの渾身のチャンプアタックをスルーしたので《ニショーバの喧嘩屋》に《双業火》で14点叩きつけてフィニッシュ。
2戦目 vs黒緑 ○
相手のデッキはよくわからなかったがサクリファイス系っぽかった。小粒な相手は踏み越えていけるのが強みなので負ける気がしない。
5Tフルアタックに《母聖樹の加護》《双業火》入れて18点フィニッシュ。
3戦目 vs黒緑 ○
今度の黒緑はリミテッドのデッキそのまま持ってきた?みたいな中身だった。
5Tフルアタ(中略)フィニッシュ。
4戦目 vs赤緑アグロ ○
ダブマリ。さらに先攻を取った相手から2T《クウィリーオンの獣呼び》が出てきて負けを覚悟する。
頼みの綱の《強請る大入道》でカードを引き戻したいが、それを見越してか何度攻撃してもスルーされる始末。とりあえず手持ちの喧嘩屋でチャンプして何とかするしか……
いや、違うな。
《鏡割りの寓話》Ⅱ章で《ニショーバの喧嘩屋》2枚入れ替えからの《強請る大入道》アタック、スルーされたところに引き込んだばかりの《双業火》で12点! これは運が良かった。
あれ、なんかめっちゃ勝ってね……?
5戦目 vs白青黒コントロール ×
ローテ直後にヘビーコントロールとは大した度胸だなあと思いつつテキトーにクリーチャーを並べようとするも《消えゆく希望》で延々バウンスされ、手札尽きたところにX=5《食肉鉤虐殺事件》でやむなく投了。
6戦目 vs青黒忍者 ○
後攻ダブマリ。版図カウント計5の土地3枚と《ニショーバの喧嘩屋》《溶鉄の大怪物》というオールインな手札をキープしていたところ、2T《ニショーバの喧嘩屋》をバウンスされた挙句、続く3Tに忍術《嚙掌の忍者》で落とされて絶体絶命。土地を並べるしかないところに《漆月魁斗》が着地してもりもり手札とライフに差を付けられていく。さらに4Tには《梅澤悟》が着地して、これを通したら何されるかわからない一触即発の状況に。
これは無理かと思った5T、奇跡的に《ニショーバの喧嘩屋》をトップデッキして計5マナで全部展開。次ターン相手がタップアウトの隙にフルアタ。相手さすがに《梅澤悟》ではブロックできずスルー。
残念ながらスルーした時点で勝負ありなんですよね~。 21点フィニッシュ。
7戦目 vs黒単 ×
先攻3T《ヴェールのリリアナ》は処理したものの、《不憫な悲哀の行進》を2連打されてもりもりライフを回復される。最後は《食肉鉤虐殺事件》で流されて負け。これで後がなくなる。
8戦目 vs5色人間 ○
そんなデッキあんの? なんかいろんな人間が出てきて困惑する。多分ほっとくと《統べるもの、ジョダー》が出てくるんだろうな。
でもね、横並びには強いんだ。
9戦目 vs黒赤吸血鬼 ×
先攻3T《ヴェールのリリアナ》を処理できず、《黙示録、シェオルドレッド》が定着してほぼ完封負け。
結果、6-3。
あれ、まあまあ強くね?
反省編
クソデッキのつもりが思ってたより普通のデッキでした。企画倒れになっちゃう。
絆魂には二段攻撃付与で無視したりトランプルで無理やり乗り越えたりできるのでまあまあ耐性があるんですが、丁寧に単体除去してくる相手や直接的なドレインを多用してくる相手は苦手です。《ヴェールのリリアナ》も処理こそできるものの、4点かそれ以上吸われている格好なのであまり得意ではないっぽいです。まんまSCZですね。
ライフゲインを封じる手段とかあるといいですね。そういえばそんなカードが1枚だけスタンダードにあったような。前のめりなデッキに合ってるカードなのでこっそりサイドに突っ込んでます。
おまけ(泣き言)
晴れる屋のデッキ構築システムにこのデッキを入力しようとしたらまだローテーションに対応してなくて打ち込めなかったんですが、その隙に晴れる屋公式に「ドメインZoo」と称したほぼ同じようなデッキの話をされてこっちが二番煎じっぽくなるという最悪のムーブをかましました。
スタンダード情報局 vol.92 -3ターンキル!!ドメインZoo 2022-
https://article.hareruyamtg.com/article/64891/
しかもなぜか向こうは新セットのカードをちゃんとデッキ構築システムに入れているという。ずるいぞ。
前回言ってたキャンペーンは当たりませんでした。箱、ほしかったなあ。かなしい。