【MTG】土地2枚でキープ、そんなに悪いことなのか?土地に関する確率計算してみた 構築編

突然ですが、皆さんはこの手札、キープしますか?マリガンしますか?

※このデッキが気になったら……こちらをチェック!

MTGに限らず多くのTCGをやっている限り、マリガン問題というのは常に付きまとう難易度の高い問題です。私もなんとなく雰囲気で判断しています。

そろそろなんとなくの判断をやめて、この辺りの確率についてしっかり把握しよう、というのが今回の記事の主旨になります。

デッキ枚数や土地の枚数、ダブルシンボルやタップイン多色土地など色々な要素が絡み合うため全てを一気に検討するのは難しいので、今回は構築(60枚)単色デッキの場合を見ていきます。

リミテッド編はこちら↓

構築(60枚)単色デッキの場合

理詰めで計算することも可能ですが、モデルを作って100万回試行しました。いわゆるモンテカルロ法によるシミュレーションです。

土地24枚/60枚デッキ、先攻の場合

初期手札の土地の枚数01234567
観測回数(n=1,000,000)216191208642692033094601967286868812599839
確率(%)2.1%12.1%26.9%30.9%19.7%6.9%1.3%0.1%

土地が3~4枚の手札はたかだか50%しか来ないということで、実は一発で土地と呪文がきれいに揃ったハンドを持って来るのは結構難しいです。これは単色デッキでの話なので、多色デッキでもし土地の色の揃い方にも制限があるとなるともっと厳しいでしょう(この辺りの計算はまた今度)。

初期手札の土地の枚数3ターン目に
3枚目の土地が
置ける確率
4ターン目に
4枚目の土地が
置ける確率
5ターン目に
5枚目の土地が
置ける確率
2 (n=269203)66.3% (178448)37.2% (100016)18.7% (50435)
3 (n=309460)100%78.9% (244178)52.2% (161688)
4 (n=196728)100%100%86.0% (169178)
先攻の場合

スペルの揃いが良いからと先攻で土地2枚の手札をマリガンせずに始めてしまうと、ほぼ1/3の確率で土地が詰まって悲しいことになります。これは由々しき数字ですね。

そして結構つらい数字を示しているのが、土地3枚の手札をキープしても5回に1回ぐらいは4枚目の土地を置けずに止まってしまうというところ。体感的には結構頻繁に出くわすシチュエーションで、「なんで3枚も引いて土地がないんだよ!」と言いたくもなってしまいますが、実際これだけの確率で起こると知っていればまあしょうがないかとも感じます。納得できるかどうかは別として。

土地24枚/60枚デッキ、後攻の場合

さて、今度は後攻ならどうなんだ、という話になります。1枚余計に引けるのでその分事故を起こしづらいだろうという考えですね。

初期手札の土地の枚数3ターン目に
3枚目の土地が
置ける確率
4ターン目に
4枚目の土地が
置ける確率
5ターン目に
5枚目の土地が
置ける確率
2 (n=268711)80.8% (217205)55.5% (149065)33.9% (91079)
3 (n=309218)100%87.9% (271705)66.8% (206567)
4 (n=196946)100%100%91.8% (180780)
後攻の場合

今度は2枚でキープしても80%のケースでは3枚目の土地を置くことができます(これを多いと見るか少ないと見るかはまた別のお話ですが)。とはいえ土地が2枚で詰まるのは先攻の時より致命的になるので、相対的な影響は先攻のときとさほど変わらないかもしれません。

土地の枚数を増減すると?(22~29/60)

これは全部を列挙するのは大変なので、グラフで見てみましょう。

初期手札に3枚か4枚の土地が欲しいという事であれば単純に土地を増やせばいい、という話にはなるのですが、そうすると今度は土地を引きすぎる心配も出てきます。

土地2枚でも許容できる高速デッキはキープ率が高いのである意味安定しているという見方もできますね(もちろんそのまま詰まって負けることも多いでしょうけど)。

さらに、土地n枚の手札をキープした後、n+1ターン目まで一枚も土地を引けないパターンがどれだけあるのかも確認してみます。

この差をどう見るかは人それぞれなので具体的な考察はお任せしますが、……まあ結構土地って置けないものなんだな、と私は思いました。2枚キープ、危なっかしいですね。

プロの調整録なんかでたまに「安定しないから土地をもう1枚増やせないか?」という話を見かけますが、例えばこのシチュエーションに限っても2%ほども影響が出るとなると、たった1枚差でも無視できないということがよくわかります。

※これはあくまで土地が置ける確率についてしか議論していないので、実際にはマナフラッドに陥る確率をここから差し引く必要があります。


次回は多色土地を採用しない2色デッキについて考えてみます。