【MTGデッキ紹介】スゥルタイ落魄リアニメイト【2023年12月スタンダード】

「イクサラン:失われし洞窟」が気が付いたらリリースされていて、早一ヶ月が経とうとしています。

スタンダードのメタゲームは混沌としていますが、白青兵士や版図ランプ、恐竜デッキなどの姿をよく見かけます。一時期絶滅していた緑の姿をまた見かけるようになったのはいいことですね。

さて、今回のデッキはそんなスタンダードのデッキです。新セットのカードリストを眺めていたらどうも形になりそうなデッキを思いついたので回していたのですが、意外にも同じ構造のデッキが晴れる屋のデッキリストに見当たらなかったのでご紹介です。

一時期流行ったカスケードクエストよりよっぽどまともなぶち壊しデッキです。

このデッキを使うとこんなメリットがあります!

  • 先攻最速3Tでアトラクサが着地します。
  • 安定4Tで産業のタイタンが着地します。
  • 上記の動きでは間に合わなければ、安定4Tでデッキに実質6枚投入している全体除去が放てます。
  • その他、多元宇宙と共に、ファイレクシアの門などのぶち壊しパーマネントを雑に放り投げることができます。

すごい!メリットしかない!!

デッキレシピ

※サイドボードは試してみて要らなかったカードの掃き溜めになっているので無視してください

キーカードは《もがく出現》、そして《鏡に願いを》の2枚です。特に《鏡に願いを》を安定して唱えられるようにするため、黒マナが出ない土地は最小限に絞っています。

《もがく出現》がフル投入されていることから狙いは明らかで、単純にすごい勢いで切削して墓地を肥やしてから任意のパーマネントを釣り上げるだけなのですが、釣り竿が《もがく出現》4枚だけというのは心許ないですよね。ですが《鏡に願いを》を使えばデッキ内のどこからでもこれを引っ張ってこられるので、実質8枚投入しているのと同じことになります。これが安定4Tのからくりです。

落魄7はどれくらい大変?

実際このアトラクサを吊り上げるのに必要な落魄7というのがどれくらい大変なのかというと、何のことはありませんでした。

《異世界の凝視》《第三の道の創設》《当世》《非情なソムノファージ//永遠の眠り》計15枚。たったこれだけでいとも簡単に落魄7を達成できます。

特に強力なのが《第三の道の創設》です。以下の通りこの動きを達成するためのほぼ全てのカードとシナジーがあります。

  • 1章は《非情なソムノファージ//永遠の眠り》を出来事側で唱えられるため、2章と合わせればたった2マナと実質1枚で8枚切削できる。
  • 2章で《もがく出現》《鏡に願いを》など必要なソーサリーが落ちても、3章でそのまま唱えられる。
  • 3章誘発で《鏡に願いを》を追放しコピーを唱える時点ではまだパーマネントとして場に残っているため、そのまま協約の餌にできる(ただただ気持ちいい)。
ルールを完全に理解している人にしかできない動き is キモチイイ

《当世》はぱっと見かなり地味な印象を受けますが、手札に来てしまったリアニメイト先を墓地に落とす手段であり、かつ場に残る協約のタネという意味で価値があります。

とても重要なことですが、落魄6の時に戦場にあるこれらの英雄譚を協約のタネにして《鏡に願いを》を経由し《もがく出現》を唱えると、墓地に送ったばかりの英雄譚もしっかりカウントされるのでぴったり落魄7を達成します。このデッキではかなり頻繁に起こるシチュエーションです。

横展開に対するサブプラン

《恐怖の潮流》という全体に落魄に応じたマイナス修整を与えるソーサリーがあり、これを全体除去として2枚採用しています。

これのマナコストは(2)(黒)(黒)なので、これも《鏡に願いを》で持ってくることができます。実質6枚投入しているのと同じことです。ずるすぎ。

釣り先候補

最後にリアニメイト先の候補です。色々試してみました。

《多元宇宙と共に》

正直見た目ほどの威力はないです。が、強いことに違いはないので採用。早いターンでこれと《ファイレクシアの門》が同時に着地するとほとんどの相手は爆発します。

《ファイレクシアの門》、《執念の徳目//ロークスワインの嘲笑》

執念の徳目は出来事の汎用性が高く使いたくなりますが、アグロ相手に2Tを除去とささやかなライフゲインに使っていても勝てないということがわかった(さっさと切削全振りしてアトラクサ辺りを釣った方が強い)ので、着地した瞬間から影響力があるファイレクシアの門の方がいいという結論になりました。とはいえ落魄9はまたひと手間なのでこの辺りは良し悪しか。

《偉大なる統一者、アトラクサ》、《産業のタイタン》

どちらも文句なしで強いので採用。ちなみにアトラクサに関しては白マナが一切出ないため、引いてしまったら捨てる算段を考えないといけません。

だいたい《当世》から捨てることになります。というか他に手段がほぼないです。

《蝕むもの、トクスリル》(不採用)

面白枠。たまにこれ一枚で勝てるマッチアップがあるのですが、そうでない時は釣る意味がなさすぎて最終的に抜けました。

《ファイレクシアの肉体喰らい》(不採用)

試作で3/3/3威迫絆魂として出せることからアグロ相手に良さそうに思えますが、頼みの綱である護法がライフ要求なのであっさり支払われておしまいになってしまうことが多く、全く役に立ちませんでした。《執念の徳目》と同様、序盤の動きは切削に全振りした方がいいとの判断で不採用。釣り先としても7/5のフレンチバニラにしかならないので思いの外弱かったです。

《ファイレクシアの抹消者》(不採用)

3色デッキでありながら黒のクアドラプルシンボルが払えるため最初は試しに入れていました。確かにこれ一枚で止まるマッチはあるものの、やりたいこととどっちつかずになってしまうので最終的に不採用。

PW(まだ試してない)

プレインズウォーカーはまだ試していません。《希望の標、チャンドラ》とか強いのではという気がしますが、更地にPWだけ投下しても返しであっさり倒される展開が多そうな気がします。《向上した精霊信者、ニッサ》は+能力で自身を守ることができるので使えるかもしれませんね。

回し方

最初の2ターンは墓地肥やしから。ベストムーブは《第三の道の創設》1章から《異世界の凝視》《非情なソムノファージ//永遠の眠り》をタダで唱えることで、これが通れば落魄はだいたい達成したようなものです。

相手の動きに干渉するとかは考えていません。押し付けたらこっちの方が強いので。

英雄譚をばらまいて手札を入れ替えたり雑に諜報したりしているうちに必要なパーツが必要なところに来ますので、あとは次のいずれかで釣り上げます。

  • 手札から《もがく出現》をキャスト(最速3Tルート)
  • 英雄譚を協約コストにあてて手札から《鏡に願いを》をキャスト
  • 《第三の道の創設》3章から墓地の《もがく出現》をコピーしてキャスト
  • 《第三の道の創設》3章から墓地の《鏡に願いを》をコピー、《第三の道の創設》を協約コストにあててキャスト

ルートが多いので妨害も簡単ではありません。強いて言うなら2T《第三の道の創設》がほぼマストカウンターに近いのですが、仕掛けがバレるまでは手出ししづらい呪文です。単体では何もしないから脅威が見えづらいんですよね。

結論?

ジャンドダイナソーのように真っ当に殴り倒そうとしてくる中速ミッドレンジはボコボコにできます。そういうデッキ使う人が一番嫌がりそうなことしてますからね

どうですか? 楽しそうでしょう? 今すぐ使ってみたくなりませんか?

では、ここからはなぜこのデッキがメタゲームに存在しないかの話をしましょう……

天敵

まず第一にして最大の原因。環境に天敵が多すぎるのです。

墓地利用系デッキなので簡単に対策されてしまいます。さながらドレッジ。これでメイン最強ならまだ何とかなったでしょうが、さすがにそこまでの勝率はないのでこれがメタゲームに食い込めない原因のような気が。

《敬虔な新米、デニック》

こちらのやりたいことを全否定してくるので、速やかに《一巻の終わり》で根こそぎ仕留めましょう。別に意識されてるわけじゃないのについでで対策されてるのが非常にキレポイントです。

《スレイベンの守護者、サリア》

追加コストは本当にダメ。一応《もがく出現》の素唱えルートなら4Tの可能性ありますが、それ以外が絶望的です。白単やレジェンズ系デッキと当たったらまずこいつを倒さないと話になりません。

《墓地の侵入者》、《下水王、駆け抜け候》

やつらは「とりあえずテキトーに追放しつつドレインしとこう」「ネズミ出たついでに何か追放しとこう」と何かのついでにクリーンヒットする対策を打ってきます。メインから普通に採用されているので手に負えません。

ちなみにこいつらに対するカウンタープランは除去 or 追放しきれないほど切削してさっさと釣り上げるです。できなくはない。

青単テンポ(デッキ全体がダメ)

墓地にパーツを落とす都合上、マストカウンターがバレバレなのでしんどいです。というか打ち消しでコントロールしてくるデッキに対してはほぼ0-10です。GG。《魂の洞窟》もっと流行ってくれ

《多元宇宙の突破》

黒赤系のデッキに時々積まれていますが、こっちの墓地に落としているパーツが全て強すぎるため逆用されます。一方こちらは黒系デッキであるにもかかわらず方向性の違いによりブリーチを採用できません(重い非パーマネント呪文は基本的にお呼びでない)。ブリーチに弱いのダメでは???

でもお互いに速攻の付与手段がないためにリアニメイトしたそのターンに勝負がつくわけではなく、すごい勢いでお互いのデッキが削れていくので、LO狙いで勝てることがあります。実は若干デッキ枚数が多いのはこのためです。

間に合った。この後再度の《もがく出現》から《第三の道の創設》を先読2章で釣り上げて相手をLOさせるという珍しいことをしました。

釣っても勝てない

そして第二の原因、実はこれです。アトラクサを釣ったとて勝てないマッチが多すぎる。

こんな派手なことするんだから着地=勝利であってほしいんですが、そういうパーマネントを思い付いていないので、釣り上げる→除去される→もう一回釣り上げる→除去されるの繰り返し。そうこうしているうちにライフを削られてしまいます。

なんかもっと一撃必殺な感じのパーマネントがあればいいんですが……。

本当の結論

楽しいデッキなんだけど、とにかく対策されまくっているせいで勝てない不憫なデッキ。つらい。

環境を変えたらリアニメイト先が変わって3キルが容易になり勝てるようになるかもしれませんが、どうでしょうね。私は面白さ優先でしばらくこのデッキを回してみようと思っています。変態コンボに可能性を感じるあなたも、ぜひ。