【ボドゲレビュー】トラペーツ(アソビツクース) – シンプルで、奥深く、読み切れそうで読み切れないアブストラクト

ボードゲーム好きな人というと、いくらか人数を集めてワイワイ盛り上がるか、一つの重ゲーをじっくり楽しむか。そんな人が多いのではないでしょうか。

たまにはよく遊ぶパーティーゲームや運に振り回されるゲームにフタをして、落ち着いた真剣実力勝負というのも楽しいものです。将棋やオセロなどに代表されるアブストラクトというジャンルは、他のボードゲームとはまた違った楽しみを提供してくれますよ。

本作は同人アブストラクトゲームの中でも比較的有名なのではないでしょうか。ゲームデザインが気に入ったので手に入れましたが、小さいながらも奥深いゲームでした。「トラペーツ」のご紹介です。

どんなゲーム?

六角形のピースを交互に並べていき、自分の色を多くつなげるのが目標のアブストラクトゲームです。

  • プレイ人数:2人
  • 対象年齢:8歳以上
  • プレイ時間:20分
  • 原作:アソビツクース
  • 発表年:2021

チャートは当HP独自の採点基準により作成しています。
全体的に右に寄っているものほどパーティーゲーム向け、左に寄っているものほどじっくり考えるボドゲマニア向けです。

デザイン:ゲームの構造から作られたデザイン。木の色が好みならきっと好きになるはず。

盛り上がり:落ち着いてプレイするタイプのゲームです。

こんな人にオススメ

  • アブストラクトゲームが好きな人
  • 同じくらいの実力の2人で真剣勝負したい人
  • Gigamic のゲームシリーズ(「コリドール」、「クアルト!」など)が好きな人

同人制作のゲームとしては貴重なことに、Amazon等各種大手通販サイトで普通に販売しています↓↓↓

プレイ風景

ルールはたったこれだけ。

7つつなげれば勝ちだけど、とにかく負けなきゃいいんでしょ、のつもりでゲーム開始です。布のプレイマットにタイルを一枚置いた状態でスタート。

黒先手らしいですが、どっちでもいいでしょう。チェスに慣れていれば白が、囲碁に慣れていれば黒が先手かな?

木の板状のピースは将棋みたいにパチン、と指したくなります。

連珠(五目並べ)とかが近い雰囲気を感じます。活きの五連ができると詰み、みたいな。

置かれるとまずそうな手は見つけ次第つぶしていきます。

タイルの形は全部一緒で、自分の色を置きつつ同時に相手の色も置いてしまうので、うっかりしないよう注意が必要です。

ルール上のワンポイントとして、タイルの周囲を完全に囲むことで、そのタイルを回転させることができます。たとえば以下の盤面。

中央のタイルは左上のマスが埋まると完全に囲まれます。そうしたらそのタイルを好きな方向に60度回転させます。

周りが囲まれるとそれ以降その部分は不動になるので、有利な形で固定できると強そうです。

自分の色がタイル7枚分つながったら勝ちになります。

全部使っても勝負がつかない場合はその時点でタイルの繋がりが最も多い人が勝ちます。それも同じなら先手の勝ちです。

真剣に読みあった結果、19マス全部埋まっても決着がつかないことはざらにあります。一手間違えるとあっさり決着してしまう場面も多く、頭を使います。

総評

この手のゲームはがっつり頭を使うこともあり初心者にとってはハードルが高く、好き嫌いの分かれるところではあります。私も遊び相手を探すのに苦労しています。

ルールに大きな起伏を持たせずらいアブストラクトゲームは、面白く作るのがとても難しいジャンルです。そんな中、シンプルかつちょっとしたアクセントで深みを持たせたルールのこのゲームは、他の似たようなゲームにはない独特の楽しみを教えてくれました。

スタイリッシュで、美的で、面白いゲームです。

おまけ

普段のボドゲレビューでは遊びたがりのぬいが遊んでくれていますが、今回は落ち着いた雰囲気の写真を採用しました。

ぬいバージョンも撮っています。

うーん、かわいいね。