【ボドゲレビュー】ARGOAT (Domina Games) – 知識を集め、エデンへの扉を開け。ファンタジックな世界を旅するゲーム

キレイなイラストで描かれる独自の世界観や、Blade Rondoなどに代表される対戦型カードゲームシリーズで一定の人気を博しているボードゲームメーカー、Domina Games からご紹介です。

今回はそんなDomina Games のゲームの走りとも言えるような一作をご紹介します。

走りとは言っても完成度は高く、今に至るまで長く楽しく遊べる良作です。最新作からDomina Gamesに興味を持たれた方は、是非こちらも遊んでみてください。

◆◇◆Domina Games の他のゲームについてはこちらの記事もご覧ください!◆◇◆

どんなゲーム?

世界に隠された8つの知識を集め、他のプレイヤーと競争、時には協力しながら、誰よりも早くエデンにたどり着いた人が勝ちとなるゲームです。

  • プレイ人数:3~5人
  • 対象年齢:10歳以上
  • プレイ時間:45~60分
  • 原作:Domina Games
  • 発表年:2017

チャートは当HP独自の採点基準により作成しています。
全体的に右に寄っているものほどパーティーゲーム向け、左に寄っているものほどじっくり考えるボドゲマニア向けです。

デザイン:ファンタジー色を前面に押し出した、儚く美麗なイラストがゲームの世界観を大変よく表現しています。ただカードに描かれた道がちょっと見づらいかも。

盛り上がり:交渉要素もあるので、プレイング次第では盛り上がります。

運要素:あと1手差を捲るためにカードを引きに行く、みたいなことは平気で起こります。3人以上用ゲームの宿命としてキングメーカーもたまに発生します。

その他:カードはTCGサイズ。
最低80×80cm以上の広いプレイスペースを推奨(後述)。

こんな人にオススメ

  • ファンタジックな世界観に惹かれる人
  • 3人用、5人用のゲームを探している人(特におすすめ!)
  • 交渉系のコミュニケーションも楽しみたい人

プレイ風景

このゲームのマップは、カードを並べることで生成されます。初期配置はたった5枚のこのマップ。

初期配置とプレイヤーの選択によって、毎回異なるマップが生成されます。これにより、巡礼者のごとく世界を歩き回るスローテンポなゲームになるか、知識が渦巻く超ハイペースなゲームになるかも大きく変わってきます。

各プレイヤーは「辺境の街」からスタートします。各ターン、プレイヤーは道がつながっている隣のマスに移動し、そのマスの効果を解決します。基本的にゲームはこれだけで進行します。

フィールドは「辺境の街」の効果を解決することで広がっていきます。山札からカードを一枚引き、道がつながるように好きな場所に置きます。

これで世界を広げつつ、様々な知識を得るための旅をするのです。

最終目的は、まず世界のどこかにある知識カードを8種類集めること。そしてその後、いくつもある「暗い森」のどれか一つに隠されている「エデンの園」にたどり着くことです!

4枚ある「暗い森」は公開されていませんが、旅の途中で暗い森に足を踏み入れたなら、一定の代償を支払うことでそれがエデンへの道であるかどうかを確かめることができます。

たまたま迷い込んだこの場所は、果たしてエデンにつながっているのでしょうか。

ただし、タダで覗き見できるのは最初の1人だけ。この秘匿性がゲームを複雑にしています。

実直に旅して知識を求めるもよし、キャラバンでアイテムを買ってズルをするもよし。

さらになんとこのゲーム、同じ場所にいるプレイヤー同士は「交渉」が可能です。

「この知識あげるからその知識ちょうだーい」

これによってお互いが持っている知識のコピーやアイテムを交換したり、エデンの場所をこっそり教えたりすることが可能なので、純粋に盤面で後れを取っていても結託して巻き返すことも可能です。ただし最終的に勝てるのはたった一人!

これで勝ち! お疲れ様でした。

ゲーム性改良のためのバリアントルール

フィールドの制限

探索を行ったプレイヤーの裁量で、フィールドはどんな形にもなり得ます。時には恐ろしく細長いフィールドになってしまうこともありますが、ゲーム開始時点ではどの程度のスペースを使うかがわからないので場所の取り方が難しいというちょっとした問題があります。

そこで、ローカルルールとしてカードを置くことができる範囲を6×6マスに制限する、というルールを追加すると比較的スムーズに遊ぶことができます。縦か横に6枚のカードが(一直線でなくても)並んだら、その範囲から出てしまう7枚目のカードをを置くことができなくなります。

暗い森の設置に関するルール

「暗い森」は山札に混ぜるのではなく、別にして置いておきます。山札から引いたカードに黒い竜の紋章が付いていた場合、そのカードをマップに追加したあと、暗い森を1枚、今設置したカードに隣接するように設置します。

紋章付きのカードは結構枚数が多く、最序盤で連続してめくってしまうと街の周囲に暗い森が大量に置かれてしまい、一瞬でエデンの所在がわかってしまうので若干盛り上がりに欠けます。そのため、1枚目に出てきた紋章は無視し、2枚目以降の紋章から暗い森のカードを設置することにします

総評

全員の進捗の見極めと自分を有利にするための交渉術によって、最後はたった一手の差で勝敗が分かれるようなギリギリの勝負が楽しめます。かなり大人向け、それも同年代のグループで遊ぶのに向いたゲームですね。

コンポーネントもこだわりの作り(うさぎミープルが入っています)なので、見た目にも楽しく、持っていて損はしないゲームです。


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