気になっていたあの資格、自宅からリモートで取れるようになっているかも?

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最近、ふとしたことでとある資格の取り方を調べました。

だいたいの資格試験は、受験そのものに高いお金を払いつつ週末の一日を潰してしまうので、なかなか気乗りがしないもの。まずそれ以前に所定の講義を受けてくださいのような面倒なものもあり、めんどくさがり屋の出不精にとっては門前払いに等しいです。その時も、いくらかかっていつやるのかな、ぐらいの軽い気持ちで見たのですが、ここ1、2年のコロナ禍を経て、資格試験業界にも思わぬ変化が起きていました。なんと自宅にインターネット環境があれば、リモートで受験できるようになっていたのです。

お金さえ払えば家のパソコンで受験できるというのはかなり画期的です。もう重い腰を上げる必要すらないのですから。パジャマ姿で、ベッドで寝ながらでも受験できます(良心が痛まなければ、ですけどね)。このトレンドが一過性のものかはわかりませんが、特に今後数年以内に就職活動を控えている人なんかは、今がチャンスなのかもしれません。

ちょっと興味がわいたので、自宅で受験できて受験資格が不要な資格試験がどれくらいあるのか、調べてみました。

受験方式の違い(PBT, CBT, IBT)

リモート受験ができるかどうかを調べるために、受験方式をチェックします。最近の資格試験だと「IBT対応」というフレーズを見かけることがあると思います。

PBT

PBT は Paper Based Testing の略で、いわゆるペーパーテストのことを指します。昔ながらのマークシート方式や、手書きであることが重要なタイプの試験は現在でも概ねこの方式を採用しています。

PBT で実施される資格試験の例:TOEIC、日本漢字能力検定(漢検) など

CBT

CBT は Computer Based Testing の略です。全国各地にある「テストセンター」で、備え付けのコンピューターを使って行う試験になります。就職活動にあたってテストセンターで受験するSPIと形態は同じです。

PBT との大きな違いとして、受けたい時に受験が可能である(一部資格を除く)という大きなメリットがあります。また、公平性や厳密性の担保のためか、下位の級までは CBT で受けさせてくれるが、上位の級は PBT を課す、という形態の資格も多いようです。

CBT で実施される資格試験の例:日商簿記検定(2級)、秘書検定(2級)、TOEFL iBT など

※TOEFL iBT は IBT の名を冠していますが、原則として自宅では受験できませんので分類上は CBT になります。

IBT

IBT は Internet Based Testing の略です。インターネット環境さえ整っていれば、どこからでも受験可能なシステムです。ものによってはスマートフォンで受験が可能になっているものさえあるようです。その受験条件の性質上、厳密な資格でこの形態をとっているものはあまりなく、どちらかというと自己啓発のためのマニアックな資格が多い傾向にあります。

今回の記事で紹介するのはIBTに完全に対応している資格です。

受験資格フリーで、在宅受験、取得できる資格一覧(2022年3月現在)

※ここで紹介したものの他にも条件を満たす資格は多数ありますが、実施元が同じ団体であったり、マニアックすぎて実用性に疑問があったりするようなものは掲載していません。

カラーコーディネーター検定試験

https://kentei.tokyo-cci.or.jp/color/

  • 実施日程:年2回
  • 検定料:スタンダードクラス 5,500円(税込)、アドバンスドクラス 7,700円(税込)
  • 試験時間:90分
  • 合格率:スタンダードクラス 80~85% アドバンスドクラス 60~65%
  • 学習期間:1~2ヶ月

仕事に役立つ実践的な色彩の知識を学ぶことができる検定試験です。企業の企画開発やデザイン部門で働きたい人、仕事や私生活での発信力を高めたい人に向いています。履歴書に書けるだけでもちょっとオシャレ。

eco検定(環境社会検定試験)

https://kentei.tokyo-cci.or.jp/eco/

  • 実施日程:年2回
  • 検定料:5,500円(税込)
  • 試験時間:90分
  • 合格率:70~80%
  • 学習期間:1~2ヶ月以内

最近流行りの「SDGs」を理解するための環境基本知識が学べる、環境教育の入門としての位置付けを担っている検定です。名前は若干色物っぽいですが、累計受験者数にして50万人を超える、かなりきちんとした検定です。

PAST(アルゴリズム実技検定)

https://past.atcoder.jp/

  • 実施日程:年4回(リアルタイム受験)/随時
  • 検定料:8,800円(税込)
  • 試験時間:5時間
  • 合格率:なし(5段階判定)
  • 資格有効期間:2年間

IT人材のプログラミングスキルを可視化する検定です。実際にその場で与えられた問題に対する回答を与えるプログラムを書く、というスタイルの試験になります。なお、一般的に使用されているプログラミング言語はほぼ全て対応しているため、言語が使えないから受けられない、ということはほとんど起こらないようになっています。まだ比較的新しい検定ですが、既に大手企業でも続々採用され始めている検定なので、情報系の就職や転職を考えているならとりあえず受けておいて損はなさそうです。

ちなみに、TOEFLなどと同様、資格認定に2年間の有効期間が定められています。

CADデザインマスター資格検定

https://www.designshikaku.net/kenchiku/cad/

  • 実施日程:年6回
  • 検定料:10,000円(税込)

CAD とは Computer Aid Design の略で、コンピューターを使った設計支援ツールのことです。建物の平面図や機械の図面をはじめ、様々な図面の描画に幅広く活用されます。特に建築業界ではとても重宝される資格ですが、専門性の高いスキルのためか過去問をはじめとした情報があまり出回っておらず、合格率も30%前後(※ソース不明)と低水準のようです。そのため未経験者が軽い気持ちで受けて何とかなるようなタイプの資格ではなく、既にCADを触っていて、ある程度知識がある人が目指すべき資格と言えるでしょう。

アロマテラピー検定

https://www.aromakankyo.or.jp/licences/

  • 実施日程:年2回(5月、11月)
  • 検定料:2級, 1級 各6,600円(税込)
  • 試験時間:2級 30分、1級 35分
  • 合格率:90%前後
  • 学習期間:1ヶ月以内

アロマテラピーを生活に取り入れる正しい知識を問う試験です。実際に香りを嗅ぎ分ける実技試験もあります(自宅で受ける場合、事前にサンプルが郵送されてきます)。合格率は高いですが、本当に好きな人が多く受けるタイプの資格なので、簡単すぎるというわけでもないようです。なお、1級合格後はさらにアドバイザー、インストラクター、アロマテラピストなど多数の資格の取得への道が開けます。

POP広告デザイナー資格検定

https://www.designshikaku.net/koukoku/pop/

  • 実施日程:年6回
  • 検定料:10,000円(税込)
  • 合格率:70%前後
  • 学習期間:1~2ヶ月

雑貨屋や書店でよく見かける販促ポップに代表されるポップに関する資格です。ポップデザインに関する知識と、状況に合ったデザイン技術を問われます。人に購買意欲をわかせる力があるという意味で、特に広告業界では重宝されるスキルのようです。センスがないと自認している人でも体系的に学習した結果、実践レベルでできるようになったという口コミもあります。自分はセンスがないから……と断念するのは早計かも?

なお、指定期日までに答案(制作物)を提出してください、という形態をとるため、試験時間は特にありません。

リモート受験の公平性について

リモート受験にあたって、どの程度厳格な試験を課されるかは実施団体や試験の種類によるようです。

厳しいところでは、webカメラで周囲の状況を確認し、さらに実際の受験会場同様、お手洗いによる途中離席や大きすぎる環境音(会話と判定され失格になるケースも)が認められないなどの措置を取るようです。気軽に取れるようになったからといって資格そのものの価値を減ずるようなことにはならない、ということですね。

私が取りたかった資格は……内緒です。この中にはあるかもしれませんしないかもしれません。当ててみてください。