出来心で受けてみた。FP3級受験体験記

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突然ですが、皆さんは自分の持っているお金の管理、しっかりできていますか? 私はできていません。

よくこのサイトに足を運んでいただいている方は「普段ゲームのことばかり書いているサイトで急に何を言い出すんだ」と驚いたのではないかと思いますが、実は先日、FP3級の資格試験を受験し、合格しました。忙しい日々の合間を縫ってお金の勉強をしていたのです。

↑合否速報。なんでそんな完全勝利みたいな書き方なの。

FP(ファイナンシャルプランナー)とは、税金、投資、住宅ローン、不動産、教育、老後、相続など、お金に関する幅広い知識を持ち、ライフプランの設計を行う、いわば「お金の専門家」。名前ぐらいは聞いたことがあるという方も多いでしょう。

さて、私はFPという資格を職務上の必要に駆られて取ったわけではありません。単純に趣味で、というか興味本位で受けて取ってきました。

資格そのものに関しては大手の資格予備校とかが散々紹介している内容ですが、個人の体験談というのは意外とないものなので、今回は私のFP3級試験挑戦の体験談をご紹介します。これから受けなければならなくなった方、受けようか考えている方は参考にしてください。

体験談の前に……FP3級とは

開催概要

  • 試験日:年3回(1月、5月、9月)
  • 受験料:8,000円
  • 試験内容:学科試験(120分)、実技試験(60分)
  • 合格点:学科、実技とも6割以上
  • 受験資格:特になし

ファイナンシャルプランナーは歴とした国家資格ですので、名刺などにも決まったフォーマットで書くことができます。

ちなみに実技試験と聞いて身構えてしまいそうですが、実技とは名ばかりで、午前が筆記試験の大問1、午後が大問2だと思っておけばよいです。単に問題形式が変わるだけで、目の前に試験官がいて何かをやらされるとかそういったことはないのでご安心を。

しかし気が向いたからと言って気軽に受けるには8,000円はちょっと高いですね。

思い付きで受けてみたFP3級挑戦録

きっかけ

そもそも受けようと思ったきっかけというのは、ひとつの出来事ではありませんでした。日々のちょっとしたもやもやが積み重なって、閾値を超えたというそれだけの話です。

たとえばですが、よく病院のお世話になるような人はもらった領収書を捨てずに取っておきますよね。あれってどういう意味があって、捨てると何がまずいのか? ちゃんと説明できるでしょうか。

お金の仕組みって、勉強しなくても社会に出ること自体はできてしまいます。何を隠そう私はそのクチです。ただ、知らないと何がまずいかというと、別にどうということはないんですね(納税漏れとかだとまずいですけど)。ただ自分が損をするだけ、という。

もうそろそろこのへんのお金の仕組みを知らないままだとまずい気がするぞ、と思ったのです。

今年の抱負みたいなものとして、何かしら成果を形に残そうと決めました。そのうちのひとつがこの資格試験だった、ということです。どこが開催してるかもよくわからないし何の意味があるのかと聞かれて答えに窮するような資格は山ほどありますが、FPなら生きている上で必ず付きまとうお金の話ですから、まあ誰かに聞かれたとしても説明はつきますよね。なんやかんやで国家資格であるっていうのも大きいです。

用意したもの

受けると決めたらそれなりに対策はしなければなりません。とりあえず絵に描いた餅にならないように、早々に本屋に足を運んでFP3級試験対策本を一冊購入。これで買ったお金を無駄にできなくなるのでやる気も出るというものです。

↑は私が実際に買った本で、よくまとまっていて使いやすかったです。ただ結局は本とそれを読む人との相性があり、ちょっとしたデザインの差で読みやすかったり読みにくかったりして吸収率に差が出てくるものなので、本屋に行って選べるならそうした方がいいと思います。

最近は電子書籍という手もありますね。この本はkindleでも出ているので、そちらもおすすめ。

さて、ここで試験日程を確認すると、1月開催の試験はとうに申込期限が過ぎています(仮に過ぎていなかったとしてもさすがに急すぎるでしょう)。次の開催は5月を待たなければなりません。ただの思い付きで、それも達成したかどうかに対して明確な賞罰のない試験に対して、やる気を保たせるには長すぎる準備期間を与えられてしまったわけです。

よく言われる勉強時間と実際にやってみてどうだったか

実際にやっていたのは、買った本を頭から反復しながら少しずつ読むこと、暇なときに試験問題を解けるサイトでぽちぽち問題を解いてみたこと、これだけです。

ちなみに反復しながら読むというのはどういうことかというと……

  • 1日目:1~6ページを読む
  • 2日目:3~8ページを読む
  • 3日目:5~10ページを読む
  • 4日目:7~12ページを読む

のように、1つのページを何日か繰り返して読む感じです。同じページを繰り返し読んでいると徐々に内容を覚えていきます。当然ながら若干飽きが来ますが、むしろそれが「覚えている」ということなので問題ありません。

FP3級の勉強時間は、資格学校の資料によると80~150時間とされています。

ただ私の場合は好きでやっていることだったので、この点学んだことの吸収が早かったのではないかと思います。そんなに時間は要らなかったように思いますね。黙々と机に向かって、とかではなく布団に寝転がりながらが基本だったので勉強しているという実感すらあまりなかったです。

これは何だって同じことが言えます。とにかく勉強ができる人の特徴というのは、勉強が好きであること、これに尽きます。渡されたその日に教科書全部読んだ、とか、暇潰しに問題集解いてた、とか、勉強ができる人のエピソードってそんなんばっかりです。強制されてやらされる人よりははるかに飲み込みが早いのも頷けます。

確定申告の時期

2月~3月は確定申告の時期です。医療費控除とかでお金が返ってくる算段なので、スケジュール帳(Googleカレンダー)の空きがある土日にメモして早目に終わらせました。しかしここで思ったのは、

あれ、これ今まで勉強してきた内容とあんまり関係ないな……?

FPの試験範囲って結構幅広くて、税金の話を扱う部分はごく一部です。

試験直前~本番

当日会場までは電車で1時間程度の距離があったので、買った本の巻末についていた模擬試験問題を電車の中で解いていました。実際このタイミングで見た問題が本番でも結構出てきたので、これでかなり助かった感があります。

ちなみに電卓は持っていきませんでした。少なくとも筆記は必要ないだろうし、持ってないし。実技で必要になりそうなら100均でも探して買うかな、と。

買う、と軽々しく書きましたが、FP3級の試験は午前と午後の間の暇な時間がとても長いです。

  • 筆記試験 10:00~12:00 ただし、開始60分後から終了10分前まで途中退出可能
  • 実技試験 13:30~14:30

120分の試験に対して、問題は2択式ないし3択式が計60問。普通に取り組んでいれば60分もかかりません。なので最速で途中退出できます。つまり昼休憩が実質150分あることになるので、試験会場がよほどの僻地でもない限り、多少の買い物ぐらい何の問題もありません。私は東京の都心が受験会場だったので何の心配もしていませんでした。それはそれで試験を受ける態度としてどうなんだっていう気もしますが、趣味で受けてるんだからカタいこと言わない。

実際の試験問題。筆記と実技、どちらもそう差はありません。

午前はさらっと解いてさらっと途中退出しました。体感6~7割の人は途中退出していたように見えました。

で、ちょっと散歩して試験会場から離れた都心のカフェでランチ(会場の近所は混むので)。ついでに午後の問題を眺めていてやっぱりあった方が楽かなと思ったので、100均で電卓を買いました。

これはあくまで個人的な感想ですが、簡単な算数さえできれば解ける問題が多い分、午後の方が問題は簡単だったように思います。

FP3級の総評

FP3級の内容は、出題ジャンルが多岐にわたっているので、さすがに多少は勉強しないと解けません。保険関連や不動産関連の話、専門用語を選ばせる問題なんかが特にそうです。

一方で計算問題に関しては、算数的なセンスが備わっていれば計算せずとも答えられてしまうようなものも多かったように思います。10年間積み立てて想定利回りがプラスなのに総額が毎年の投資額の10倍以下になるわけないだろ、みたいな。冗談のようですがこういう選択肢が普通に用意されています。合格率は8割前後というのも頷ける内容でした。

お金の話は今の社会を生きていくために絶対知っておいた方がいい知識なのに、普通に義務教育を通過する中では触れる機会がほとんどありません。学部によっては普通に教わるかもしれませんが、特に理学部工学部などの研究系や、医歯薬なんかはこの辺りを一切触れることなく卒業できてしまいますからね。そういう意味では私は後者の人間だったので、(ぶっちゃけ実務的にはほとんど役に立たないレベルの資格ではありますが)今回のFP3級の勉強は有意義な時間だったと思います。