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東京都中央区銀座 – 皇居にすら置ける本籍地を置けない場所がある
本籍地――自身の住所とは何の関係もなく、日本国内であればどこにでも置くことができる住所。もはや自身の本籍を把握できていない人さえいる程度の、現在の戸籍制度ではほとんど形骸化した概念と言ってもいいようなものです。
日本国内の地番がある場所であり、管轄の自治体に届け出を出すことさえできれば、どこであっても登録できます。皇居(東京都千代田区千代田1番)にさえ本籍を置くことが可能なのは有名な話です。
他にも、地番があれば以下のような場所に本籍を置くことが可能であるとされていて、実際に本籍をここに置いている人も少なからずいるそうです。
- 大阪城(大阪府大阪市中央区大阪城1番)
- 阪神甲子園球場(兵庫県西宮市甲子園町1番)
- 沖ノ鳥島(東京都小笠原村沖ノ鳥島1番地~2番地)
- 北方領土(北海道色丹郡色丹村ほか)
- 竹島(島根県隠岐郡隠岐の島町竹島)
- 尖閣諸島(沖縄県石垣市登野城尖閣)
日本が領有を主張していれば、本籍が置けてしまうんですね。
さて、本題に入りましょう。こんな文字通りどこにでも置けるとされている本籍を置けない場所が、東京の都市部のど真ん中にあります。しかもそこは、普通に歩いていたら明らかに特別に見えるような場所ではありません。
その場所とは「銀座インズ」。首都高速八重洲線の真下にある商業施設です。
なぜ本籍が置けないのか? それはズバリ、ここは住所未確定地域だからです。本籍が置けるのは日本国内の地番がある場所、とされています。しかしここには地番がありません。
この場所はもともと、千代田区と中央区の境界を定義する川でした。それが埋め立てられたときに、この場所をどちらの区にするかをいう議論が巻き起こりましたが、それが決着しないまま今に至っている……というのが真相のようです。
たしかにこの近所には川がないのに「数寄屋橋交差点」をはじめ、橋とつく地名がところどころ残っています。川があった名残です。
ちなみに、実際に銀座インズの住所を調べると、〒100-0006 東京都中央区銀座西3-1先と出てきます。正式な住所ではないですが、実用上はこれで通っているらしい……です。
ファルカーク・ホイール – 世界唯一にして最大の回転式船舶リフト
このユニークな技術の結晶が見られるのは、イギリス北部。
8階建てのビルに相当する(約24m)高低差のある水路を、船を乗せた状態で腕が半回転することによって接続し船舶の通行を可能にしています。
実際に写真や動画を見てもらうととても面白いです。
実際に回転に要する時間はおよそ5分半。
高低差のある水路を接続する手段と言えば、閘門(こうもん。区画の水位を上下させる、いわゆる船のエレベーター)が一般的ですよね。
ちなみに、閘門というとパナマ運河やスエズ運河などの大規模なものを想像しますが、閘門自体は東京にも存在します。以下で少しだけ扱っていますので、お散歩がてらどうぞ。
余談ですが、2002年当時、開業を目前に控えていたこのリフトの近くの水門を何者かが故意に開け放ち香水を引き起こした影響で、開業が1ヶ月遅れ、さらに修理に20万ポンドがかかったという小話があります。この時流れ出した水の総量は8,000万リットルとも言われています。とんでもない。
当時のニュースのWeb Archive(英語のサイトに飛びます): https://web.archive.org/web/20050109182410/http://news.scotsman.com/topics.cfm?tid=541&id=1138932002
アグボグブロシー – 世界中の電子廃棄物が集まる墓場
アグボグブロシー(英:Agbogbloshie)は、ガーナの首都アクラにある大規模な電子機器廃棄物処理場として知られる、かつてはマングローブ林の湿地帯だった場所です。
世界でも最大規模の電子廃棄物集積地の一つであり、ついた別名は「デジタルの墓場」。また聖書から引用して「ソドムとゴモラ」と揶揄されることも。
主に先進国から廃棄された電子機器がここに集められ、再利用可能な金属や部品が取り出される一方で、処理過程で有害な化学物質や重金属が環境に流出する問題があります。電子廃棄物のグローバルな取引や処理の問題を象徴する場所として、この問題を認知している世界中の人の関心を引いている場所です。
Google mapのストリートビューはこの地に立ち入っていないので、現地の写真を見ることができません。代わりと言っては何ですが、以下のPVはアグボグブロシーで撮影されたもので、退廃的な風景が限りなく広がる現地の様子をビデオに捉えています。
廃棄物は焼却や化学薬品を用いてリサイクルされるのが一般的です。これにより鉛や水銀、カドミウムなどの有害物質が土壌や水に浸透し、また大気中にも拡散します。これが周辺環境に深刻な汚染を引き起こしています。地元の人々、特にそこで働く労働者や周辺住民は、有害物質による健康被害を受けやすい状況にあり、実際に呼吸器疾患、皮膚疾患、重金属中毒などの健康問題が報告されています。
また、アグボグブロシーで働く多くの人々は貧困層であり、非常に劣悪な労働環境の中で作業を行っています。特に若者や子供たちが低賃金で働かされていることが社会的な問題となっています。
このように国際的な注目を集める中で、問題解決のための取り組みも行われています。ガーナ政府や国際機関、NGOが協力し、より安全で環境に優しいリサイクル技術の導入や、労働者の健康と安全を守るための対策が進められていますが、完全な解決には至っていないのが現状です。