【MTG】クソデッキの根本原理 Vol.4「ハレイナの双子」【スタンダード】

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少し前の話になりますが、禁止改定により、《食肉鉤虐殺事件》がスタンダードを去りました。

手厚い盤面の構築を許さずロングゲームの優位を確たるものにする強力な全体除去の退場により、今まで抑圧されてきたアグロ戦略や横並び戦略が復活してきています。

横並びと言えば、リミテッドの緑白や赤白でしばしば見かける有力アーキタイプの一つです。最近は構築シーンでも《策謀の予見者、ラフィーン》の活躍により、面で押し切る戦略が有力になっています。

横に並べると強いクリーチャーというと、何がいるでしょうか?

ロードや、クリーチャーの数を参照する生物はいいですね。下環境にはなってしまいますがエルフやゴブリンが多いです。最近のカードなら《正義の戦乙女》なんかも並べるとすごいことになりますね。

私も色々試しました。

《輝かしい聖戦士、エーデリン》は横並びの代表選手です。クリーチャーが展開されていき、自身のパワーも上がる、横並び戦略を強力に後押しするクリーチャーです。

《希望の源、ジアーダ》を並べると結構面白いです。乗るカウンターが爆発的に増えるので、2体目は3/3、3体目は6/6、4体目は11/11です。

《宴の結節点、ジェトミア》もいいですね。もし9体並べられれば全体に+27/+0二段攻撃警戒トランプルです。まあそこまでやらなくても3体ぐらいでも十分楽しいことになります。

え? そいつら伝説だろって? いやいや、伝説でもいいんですよ。

これがあればね。

伝説に目を広げられるようになると、並べたら面白そうなクリーチャーというのは結構色々あります。

……ところで、コピーといえば有名なコンボが欠片の双子

これをよーく見てください。

何かに似ていると思いませんか? 最近のカードです。

あっ!!

似てる!!!

これをコピーすると愉快なことが起こります。連鎖的にカウンターを置いていくことで爆発的に強化+速攻付与で、上手く回れば一撃で相手を沈められます。ということで、今回の目標は複製術でハレイナを並べて叩き込むことです。

越えなければならない壁

  • 《ヴェズーヴァの複製術》を着地させ、
  • 《結ばれた絆、ハラナとアレイナ》を着地させ、
  • 1体のみを対象に取るような呪文を連打する

今回の条件は今までに比べるとやさしそうです。なんせ《ヴェズーヴァの複製術》の部分を除けば、そういうアーキタイプは既に確立されているわけですから。

ということで、スタンダードをぶち壊す新たなコンボデッキを開発しました。

ハレイナの双子デッキです。

やったぞ!黒を使わずにスタンダードデッキができたぞ!!

どうしてこんなことになってしまったのか

ベースになっているのはヒロイック(英雄的)です。直近だと《嵐追いのドレイク》を主軸にした白青型が見られます。元々軽いデッキですから、序盤の戦略は既にある程度固いわけです。クソコンボデッキにありがちな「序盤が耐えられない」という欠点を既に克服しています。ただ今回は緑青赤なので、白の要素を抜いて、代わりに適当な1、2マナ域を入れておきます。《戦闘魔道士の隊長、バルモア》と《帳簿裂き》は軽い呪文の多いデッキではいい仕事をしてくれます。

マナベースは楔3色なのでトライオームは使えませんが、幸いにも多色サポートは充実しているのでなんとかなるでしょう。赤を使うなら《鏡割りの寓話》。これは雑に入れているだけでなく、最後の一押しに役目を持ちます。

トドメの手順は4T《ヴェズーヴァの複製術》からの、5T《結ばれた絆、ハラナとアレイナ》+1マナの何かを連打。ここで《黄金犬》が残っていれば使い捨ての1マナ供給源になります。さらに《キキジキの鏡像》のコピー能力は本来伝説のクリーチャーには使えませんが、コピートークンは伝説を失っているので問題なくコピーできるというおまけつき。こうやってハラナとアレイナを大量に並べて、最後は適切な順番で誘発型能力を起動させれば一撃必殺という算段です。

MTGアリーナのアイドル兼サンドバッグことSparkyちゃん相手に練習した光景がこちら。

やべえ。

面白いものが見られたところで、能力の誘発順と対象には注意しましょう。上手く連鎖させないと思ったような爆発力が得られません。これはちょっと練習が要ります。

この画像では既に失敗してるんですが、

  1. パワーの高いハレイナをスタックの頭に持ってきて
  2. スタックの真下にいるハレイナを対象にして
  3. 最後のハレイナの能力は最初のハレイナを対象に取る(そうしないと速攻が付かない)

という感じになります。これは盤面に召喚酔いのハレイナしかいない場合の話なので、他のいきものが立っていればまた話は変わりますが。

ところでこのコンボのターン展開、少し前のスタンダードで見覚えがありませんか?4Tにエンチャントを設置して、5Tで一撃で相手を沈めるデッキ。

諸君。

私はファイアーズが好きだ。

サイドプランもファイアーズに倣い、コントロール色の強い相手には《ヴェズーヴァの複製術》を全部引っ込めて戦うこともできます。あとで実戦例を見せますが、このデッキは複製術がなくても戦えてしまいます。

実戦投入

クソデッキ、スタンダードイベントに出場する。

1戦目 vs緑白 ○

2T《祝祭の出迎え》の返しにバルモア、3T《クウィーリオンの獣呼び》と互いに順調な滑り出し。横展開するならばと返しに《帳簿裂き》で圧をかける。

1マナ浮かせて《ヴェズーヴァの複製術》を設置、万全の体制。この時点では盤面負けてそうに見えるけど……

相手フルタップしたエンドにバルモアをコピー、返しでハレイナをキャストしてコピー。

するとこうなる。なおトランプル付与。これは完璧なパターン。相手もびっくり。

2戦目 vsナヤエンチャント ○

相手の先攻2T《樹海の自然主義者》からの展開が早く、ライフを地道に回復されていくので削りきれない恐れが出てくるが、飛行クロックで地道にシュートを決める準備を整える。

《調和の儀式》でもりもりドローされ、相手が1マナ浮かせて《神聖なる憑依》をキャストしたターン。ここで決めないと負け。勝てるかな?

《嵐追いのドレイク》に《タミヨウの保管》で1マナスペルを引き込み、強引に叩き込む。

複製術が間に合わなくても、そもそもバルモアとハレイナの相性がバツグンに良い。

3戦目 vs黒単タッチ白 ×

後攻4T、盤面にバルモア、手札にハレイナと《鏡割りの寓話》《タミヨウの保管》を握った状態でフルタップで《ヴェズーヴァの複製術》を設置したら返しに《絶望招来》で文字通り絶望。ちなみにこのパターンは想定済みで、《鏡割りの寓話》を置いておくとかわせるようになっています。手痛いプレイングミス。

4戦目 vsエスパーミッドレンジ ×

今度は《鏡割りの寓話》を立たせてから《ヴェズーヴァの複製術》を設置したら《邪悪を打ち砕く》のモードで壊される。忘れてたー!!

ちなみにこれも《タミヨウの保管》ならケア可能。ぐぬぬ。

5戦目 vs黒単 ×

土地が青緑緑でストップしてしまいアクションを起こせない最悪の展開。シェオルドレッドに圧し潰されて負け。

結果、2-3。

反省会

ぶっちゃけ、思っていたよりまともなデッキでした。

クソデッキだったかと言われると、そうでもないんじゃない?と。カード同士の噛み合わせがよく、単体で弱すぎるカードもそれほど使っていないので、結構戦える気がしました。

何が悪かったかっていうと、多分土地配分ですね。カードを集めることにします。これでみんなも複製術が好きになってくれたかな~?

おまけ

ジェトミアが並ばないかなって試してた時のやつ。

ジアーダ並べるとどうなるかなってやってみた時のやつ。

なんかイマイチ。召喚酔いのないハレイナが圧倒的。

余談:ちなみに、ハラナとアレイナは双子じゃなくて恋人らしいです。