【世界の才能に会いに行く】BGT日本人初のゴールデンブザー:マジシャン、岩崎圭一さん

BGTからついに日本人のGolden Buzzer受賞者が。

America’s Got Talent(AGT) というテレビ番組シリーズをご存知でしょうか?

日本ではあまり馴染みのないジャンルですが、歌手、マジシャン、コメディアン、その他各種アーティストなど、様々なジャンルのパフォーマーが、優勝賞金100万ドル(日本円にして1億3千万円※!)を賭けてオーディションを行う、公開オーディション番組です。放送は2006年から始まり、今年16年目を迎える長寿番組でもあります。

※日本では法律でそこまでの大金を一人の出場者に支払うこと自体ができないようです。

日本ではオーディション番組は国民柄あまり人気がないようで、たまに試されてみてはすぐに枠改編でなくなってしまうのですが、海外では結構な人気を博しており、●●●’s Got Talent と名前を変えて世界各国で収録、放映されています。特にパフォーマーにとっては自分の名を世に知らしめる千載一遇のチャンスということもあり、まさに金字塔とも言えるステージです。

しかし審査員もこれまた超一流。歯に衣着せぬ物言いが有名な Simon Cowell (サイモン・コーウェル)をはじめ審査は激辛で、どんなに良さそうなパフォーマンスでも不合格をもらってしまうこともザラです。

私はYouTubeを通してこの放送を不定期ながら見ています。というのも、公開オーディションなので出場者はピンキリなのですが、すごい人は本当にすごい。「世界の才能に会いに行く!」ができるわけです。私はここで「もっとみんなに知ってほしい!」と思うような人をたくさん見つけています(そちらもおいおい紹介していければなと思っています!)。

今回はそんなGot Talent シリーズではとても珍しい日本人の出場者をご紹介します。

いきなりですが、その動画をどうぞ!

日本出身のマジシャン、岩崎圭一さん(49)です!(動画は全編英語ですが、YouTubeの字幕を付けて頂くか、パフォーマンス自体は言葉がわからなくても楽しめます!パフォーマンスは1:14あたりから、マジですごいのは4:40あたりからなのでそこだけでもぜひ見てみてくださいね!)

見ていて飽きさせない軽妙な語り口から繰り出されるマジックは万国共通語ですね。最初はお笑い系の軽いやつかなと思いながら見てたんですが、後半の浮遊する指輪のマジック、超すごかった。正直、ナメてました。

これはBritain’s Got Talent (イギリス版、以下BGT) で、本家アメリカ版とここがこのシリーズの二大巨頭です。ですから彼が冒頭でも述べているように、”(It’s) the biggest stage in the world”(ここが世界最大級のステージだ) というのは嘘偽りなし。投稿して1日でもう200万+再生を記録しています。これだけでもどれだけすごいかがわかるというもの。

でも、何がそんなにすごいの?

この番組で勝ち上がるには、まず動画でも行われているようなオーディションを通過する必要があります(本当はテレビで放映されない選考もあるそうなので、実際の倍率は遥かに高くこの時点で一握りです)。ここで4人の審査員のうち3人以上から”Yes”をもらえれば合格となります。逆に審査員の眼鏡に適わなかった場合はパフォーマンス中でも容赦なく中断されてしまいます。

合格した出場者はさらにJudge cuts (二次選考)に進み、ここでさらに人数を絞ります。最後は生放送かつ視聴者投票で順位が決まる本戦、準決勝(だいたい30~40人)、決勝(だいたい10人)を勝ち上がらなければなりません。えげつない道程なのです。

しかし、このオーディションの時点で、各審査員+司会は1人1回だけGolden Buzzerというボタンを押す権利を持っています。これが押されると、その出場者は二次選考をカットしていきなり生放送の準決勝進出が決定します。つまりその審査員のお墨付きってわけです。

当然1回しか押せませんから、よほどの事がないと選ばれないのですが、岩崎さんは見事この栄誉を勝ち取って見せたのです。

ちなみに私の知る限り、日本人で BGT の Golden Buzzer を勝ち取ったのは岩崎さんが初です。日本人の出場者で有名な方といえば、過去にAGTで見事優勝したダンサーの蛯名健一さん(エビケン)がいらっしゃいますね(この方についても今後機会があれば紹介させて頂こうかなと思っています)。

ちなみに、派手な演出なので勘違いされる方も多いのですが、ゴールデンブザーそのものには賞金は一切ありません。この辺りの具体的なシステムはこちらの記事をご覧ください(AGT も BGT もシステム的にはほとんど同じです)。

【2022.8 追記】

AGT Season 10 で”Siro-A”という日本人ダンスグループが、Judge Cuts でゲスト審査員からゴールデンブザーを獲得したことがあると、読者の方からご指摘を頂きました(総合結果は準決勝敗退)。岩崎さんはBGT、もしくはオーディションラウンドでは日本人初ですが、Got Talentシリーズ全体を通してで見ると日本人初ではないようです。

どんな人?

岩崎さんは28歳の時、ポケットの160円と自転車ひとつで日本を発ち、それ以来無帰国で世界を巡りながらマジシャンをしているそうです。なんとこのステージにも自転車と共にやってきていましたね。

この時点で並の人ではないな、どころかありえんエネルギッシュな人だな、という感想が浮かんできますが、それを可能にしているのが本人プロフィールにもはっきり書いてあるポジティブさ

そしてそれを手伝うのは底抜けの健康さ。ガンジス川の水を一リットル飲んで無事なのはちょっと日本人の腹とは思えないのですが……。

なんとGot Talentシリーズも歴訪していたようで、今までにイタリア、スペイン、ブルガリア、ドイツのものに出演した経験があるそう。他にも現地のテレビにブッキングしたりと、知っている人は知っている有名人みたいです。すご。

SNS情報

そんな岩崎さんのブログはこちらから。けいの無銭旅行記 – https://feel-the-earth.com/keinoryokouki/

twitterもやってらっしゃいました。

最後に

Golden Buzzerを押されてもオーディションは終わりではなく、このあと世界の超絶パフォーマーたちを相手に勝ち進まなくてはいけません。

優勝っていうとどんなレベル? という方は、こちらをご覧ください。

司会の Ant & Dec の Golden Buzzerは例年あまりハズレがないこともあり、優勝への期待大です。ぜひ頑張ってほしいと思います!

【2022.6.9追記】準決勝結果!

準決勝で得票率8人中2位という大健闘でしたが、最後の最後で敗退となってしまいました。とはいえ審査員の David Walliams に「次のニュース番組をキャンセルしてくれ。次の一時間は彼のショーを楽しみたい」とまで言わしめたその実力を知らしめるのにはこれ以上ない機会だったでしょう。

またどこかの大舞台で(路上で?)姿を見ることができる日を楽しみにしております。