【AGT 2022】今年のAGT の仕組みまとめ – ライブ決勝がより厳しくなる【Travis Japan】

最終更新日が2023年以前の記事です。レイアウト変更のため、正常に表示されない場合があります。

今年のAGTは日本からも応援する声が多数上がっており、当HPでもAGTの1ファンとしていくつかまとめた記事を書いています。

そんなAGTですが、今年はここ数年の流れをだいぶ変えたようです。これが出場者にとってプラスに働くかマイナスに働くか、特に日本から応援しているファンの皆さんの中には気になっている方も多いと思います。このページでは現時点で分かっている情報、例年との比較、これらの変更が勝ち上がりにどう影響するか、などをまとめています。

AGT 2022 (Season 17) の流れ

以前の記事で例年通りならたぶんこうだろう、という内容を書きましたが、どうやら今年はそうではないみたいです。

一次予選 (Auditions)

テレビで放映されるオーディションです。審査員4人(と大勢の観客)の前でパフォーマンスを行います。判定は単純明快で、審査員の4人が “Yes” か “No” かで判定します。4人中3人以上の “Yes”がもらえれば合格。2人以下なら不合格でこの時点で脱落です。

ただし、審査員が「見る価値無し」と判断した場合、審査員1人に1つずつ用意されている赤いボタンを押すことができ、その場で会場の上の方に掲示されたXマークが赤く光ると当時に大きなブザー音が鳴り響きます(これはパフォーマンス途中でも容赦なく押されます)。審査員全員が赤いボタンを押した場合、そこでパフォーマンスは強制的に終了され、敗退が確定します。

たまに審査員が健康上の理由で休んでいることがあり、その場合は代役を立てることもありますが欠員のままオーディションを行うこともあります。3人の場合はだいたい2人の “Yes” が合格ラインになります。

100以上のグループが参加しているので正確には数えていませんが今年の通過率は非常に高く、おそらく80%超はオーディションを無事通過したものと思います。ゴールデンブザーが押されるのもこのラウンドです。

AGTの花形、Golden Buzzer とは?

オーディションラウンドでは審査員全員(と司会)が原則1人1回だけ、ゴールデンブザーを押す権利を持っています。これはその審査員が何が何でも勝ち上がらせたいと思うほどの素晴らしいパフォーマンスに対して与えられます。誰か1人がゴールデンブザーを押すとその出場者は審査員の投票にかかわらず(万が一他の審査員が全員赤いブザーを押していたとしても)予選を全てパスして生放送ラウンドに進出が決定します。

なお、(当HPでは毎回書いていることですが)ゴールデンブザー自体には賞金などは一切ありません。得られるのは次に行われる二次予選をスキップできる権利(と押してくれた審査員のお墨付きのようなもの)だけです。

ちなみに今年のゴールデンブザーは以下の6名です(カッコ内はゴールデンブザーを押した人):

  • Avery Dixon (Terry Crews ※司会)
  • Madison Taylor Baez (Howie Mandel)
  • Sara James (Simon Cowell)
  • Mayyas (Sofia Vergara)
  • Lily Meola (Heidi Klum)
  • Chapel Hart (全員)

基本的には1シーズンに審査員4人+司会1人=5回のゴールデンブザーが押される計算になりますが、ここ数年、審査員全員の合議により6個目のゴールデンブザーが押されるケースが増えてきています。全員が押す権利を使い切っていたとしてもチャンスはあるということですね!

二次予選 (Deliberations)

例年は Judge Cuts とされており、オーディション同様スタジオ収録されていますが、今年はマリブにある Simon の別荘? からお届けしました。

オーディションは純粋な良し悪しで通過を決定しましたが、ライブに出演できるグループ数は限られていますので、予選で何人通過していようがここで一定人数まで減らされます。

このラウンドには参加者は一切関与していませんでした。実質書類審査です。

なお、ゴールデンブザーを受賞している出場者はここを免除されるという特権があります。今年はオーディションを通過した138グループのうち、55グループが通過しました。

なんと日本人出場者は全員がここを通過しました。何気なく書きましたが、これはかなりの快挙です!

準決勝 (Semifinals)

※公式発表の内容を踏まえて内容を加筆修正しています。

ここから生放送ラウンド、ライブ準決勝です。55組の出場者を5グループに分け、毎週11組がライブでパフォーマンスを繰り広げます。

番組終了後すぐに丸一日かけて全米からの視聴者投票が行われ、その結果によって決勝進出者が決まります。ですのでパフォーマンスの翌日にすぐ結果が放映されます。

決勝に進めるのは毎週11組のうちわずか2組だけです。例年であれば準々決勝→準決勝と段階を踏んで絞っていくのでここまで厳しくはなかった(だいたい上位50%前後は次のラウンドに進んでいました)のですが、このシステムは本当に最上位に入れないと即脱落となってしまう厳しいものになっています。このラウンドからはゴールデンブザー受賞者も入ってくるのでより厳しいです。

ちなみに、予選でもあった赤いブザーボタンは決勝までずっと置いてあります。生放送ラウンドまで勝ち上がっている出場者のパフォーマンスなので滅多にないことですが、生放送でも押されるケースがあります。

残念ながら投票システムはアメリカ国内からのみアクセス可能なようで、日本からは見守ることしかできなさそうです。

例年は、グループ1位は無条件勝ち抜け。4位以下は敗退決定で、2位と3位を残して審査員4人の多数決による投票で決めていました(得票数同数の場合は2位が勝ち抜け)。ですので2位が敗退し3位が勝ち上がる可能性もありましたが、今年は純粋に上位2組が勝ち上がる方式に変わったようです。

決勝 (Finals)

準決勝を勝ち上がった参加者が改めて最後のライブパフォーマンスに挑みます。ここは毎年変わりないですね。泣いても笑っても最後に勝つのは一組だけです。ここも準決勝までと同様、全米の視聴者投票で結果が決まります。一人の圧勝だった年もあれば、2位との得票率の差がわずか1%未満だった年もあります。

優勝賞金は100万ドル(日本円にして1億円以上!!)、2位以下はゼロの勝者総取り制です。

ちなみにこの優勝賞金ですが、一括で受け取るか30年分割で受け取るかが選択可能らしいです。一括で受け取ると税金を結構取られるとの噂です。

去年までのシステム

Judge Cuts

例年二次予選の枠を担っていたラウンドです。予選と同様審査員の前でパフォーマンスを行いますが、今度は勝ち上がる数が決まっています。予選通過した出場者のうちゴールデンブザー受賞者を除く全員を4グループに分け、4週かけて放送されます。なお、結果は審査員の一存で決まり、毎週パフォーマンス終了後に発表されます(審査は非公開プロセスです)。

このラウンドには外部からゲスト審査員が遊びに来ることがあります。ゲストにはゴールデンブザーの権利が与えられ、毎週1組だけ勝ち上がらせたい出場者を生放送ラウンドに通過させることができます。

過去のゲスト審査員は Ne-Yo, DJ Khaled, Jay Leno など。大物ばかりです。

生放送ラウンド

例年は準々決勝→準決勝→決勝と絞り方がやや緩いです。

例として、2020年シーズンは準々決勝(44組)→準決勝(22組)→決勝(10組)という感じでした。

準決勝厳しすぎでは?という声について

世界中からあれだけの才能が集まっていて、2/11という壁を乗り越えるのはそう簡単なことではありません。あまりに残酷では? と思われそう。例年通りの3ラウンド制と比較して、メリットやデメリットを見てみます。

パフォーマーの負担が減る

収録ではなく生放送でパフォーマンスするという番組の性質上、パフォーマーにとってはスケジュールがどうしても過密になりがちで、オーディションと二次予選で使っていない追加3回分の演目を用意すること自体が難しい人さえいます。実際過去の出演歌手の中には使える持ち歌が無いためオーディションと同じ歌を使って決勝に挑んだ方も少なくありません(私の記憶の限りではそれで優勝した方はいなかったはずです)。アクロバットなんかだと短期間にそう何度も違う演目を完璧にやり切ること自体が難しいでしょう。練習期間も十分にない中ではパフォーマンスの回数を減らすというのは理にかなっています。

スケジュールの都合で辞退せざるを得なくなる人が減る

AGTの本選を辞退することになるのは非常に稀な事態ですが、過去にそういった例がなかったわけではありません。2ラウンド制にして拘束される日を減らすことでより平等にチャンスを与えられます。

世界中から超一流が集まって開催されたエキシビションマッチである AGT: The Champions や BGT: The Champions ではこの方式が採用されていました。海外からはるばる来てくれた人が多数を占めていたので、途中で棄権されるような事態にはしたくなかったのでしょう。

組分けの影響を受けやすくなる

たまに明らかに圧倒的な出場者がいて、グループ1位はほとんど明らか、みたいなケースがあります(公開されてはいませんが、見ていればまあわかります)。こういった時に他のグループでは勝ち上がれたはずの出場者が敗退してしまうことは考えられます。

マイナージャンルが勝ち上がりにくくなる

誰もが知っている有名なポップスやオペラを歌う人はそうでない歌手に比べて視聴者投票では票を得やすい傾向にあります。過去にもいましたがジャズ歌手やカントリー歌手なんかはこの影響を受けやすいですね。

がんばれ、日本勢!

ライブの準決勝は現地時間8月9日から、5週連続で放映します。組み分けは8月4日時点でまだ発表されていませんが、推しがいる方は勝ち上がれるよう祈りましょう!

あとまじで投票システムに乗り込もうとするなよ!!怒られるから!!