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Britain’s Got Talent (ブリテンズ・ゴット・タレント、略称BGT)は英国ITVが放映している視聴者参加型のオーディション番組です。Got Talentシリーズのフランチャイズ番組の中では最大級の規模の番組で、近年ではYouTubeなど動画共有サービスの発達によって世界中どこからでも気軽に見ることができるようになっています。私も毎年オーディションの様子を見ている一人です。
近年、日本からの参加者も増えてきたことで、この番組のことが日本でも定期的に話題にあがるようになっています。しかし日本に住む私たちからすると、リアリティ番組、オーディション番組という形式そのものに馴染みがなく、一体何をしている番組なのかわからない人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、BGTとは一体どんな番組なのか?について、これを読めば理解できるようわかりやすく解説します。
Contents
概要
Got Talentは、参加者があらゆる種類のパフォーマンスで競うことができる、世界最大級のコンテストを開催するというコンセプトで、本家アメリカでは2005年、イギリスでは2007年から放送されているタレントオーディション番組です。
最初期からの製作総指揮であり現在は審査員も務めているSimon Cowell(サイモン・コーウェル)は特にこの番組で日の目を見ずに埋もれている才能の発掘を掲げており、年齢や国籍などの参加資格は一切設けられていません。
オーディション番組自体はそれ以前からもいくつか放映されていましたが、The X Factor など歌手のオーディションにほぼ限定されていました。この番組では現在見てわかる通り、歌手だけでなくダンス、手品、お笑い、腹話術、曲芸師、その他まだ見たこともないジャンルのパフォーマーと、ありとあらゆる人がその才を競うことができます。
世界各国のフランチャイズ番組
本シリーズの影響力は世界的に見ても凄まじく、Got Talent シリーズと総称されるフランチャイズ番組が、欧州をはじめ世界中で制作、放映されています。
国民性の違いによって番組自体は長続きしたりしなかったりと様々ですが、既に放映終了した国を全て含めると、なんとその数は本シリーズに限っても70以上(ゴット・タレント・キッズなどのスピンオフを含めるともっと!)。実に世界の総人口の半数が放映区域内にいる計算になります。
その中でも総本家であるAGTとイギリス版フランチャイズのBGT (Britain’s Got Talent) の2つが、やはり英語で見られるというのがあってか特に知名度が高いです。
BGTの流れ
一次予選 (オーディション)
テレビで放映されるオーディションです。YouTubeなどで一番よく目にするのはこの部分の動画だと思います。審査員4人(と大勢の観客)の前でパフォーマンスを行います。判定は単純明快で、審査員の4人が “Yes” か “No” かで判定します。4人中3人以上の “Yes”がもらえれば合格。2人以下なら不合格でこの時点で脱落です。
ただし、審査員が「見る価値無し」と判断した場合、審査員1人に1つずつ用意されている赤いボタンを押すことができ、その場で会場の上の方に掲示されたXマークが赤く光ると当時に大きなブザー音が鳴り響きます(これはパフォーマンス途中でも容赦なく押されます)。審査員全員が赤いボタンを押した場合、そこでパフォーマンスは強制的に終了され、敗退が確定します。
たまに審査員が健康上の理由で休んでいることがあり、その場合は代役を立てることもありますが欠員のままオーディションを行うこともあります。3人の場合はだいたい2人の “Yes” が合格ラインになります。
オーディションラウンドの通過率は年々上昇しており、近年ではテレビ放映されるオーディションの80%超が無事にこのラウンドを通過します。ただし、実際にはこのラウンドの前にプロデューサーによる選考(TV放映されない)が行われているため、ここに出演できている出場者自体がほんの一握りという狭き門です。
いわゆるゴールデンブザーが押されるのもこのラウンドです。
BGTの花形、Golden Buzzer とは?
オーディションラウンドでは審査員全員(と司会)が原則1人1回だけ、ゴールデンブザーを押す権利を持っています。これはその審査員が何が何でも勝ち上がらせたいと思うほどの素晴らしいパフォーマンスに対して与えられます。誰か1人がゴールデンブザーを押すとその出場者は審査員の投票にかかわらず(万が一他の審査員が全員赤いブザーを押していたとしても)予選を全てパスして生放送ラウンドに進出が決定します。
なお、ゴールデンブザー自体には賞金などは一切ありません。得られるのは次に行われる二次予選をスキップできる権利(と押してくれた審査員のお墨付きのようなもの)だけです。
基本的には1シーズンに審査員4人+司会1人=5回のゴールデンブザーが押される計算になりますが、ここ数年、審査員全員の合議により6個目のゴールデンブザーが押されるケースが増えてきています。全員が押す権利を使い切っていたとしてもチャンスはあるということですね!
審査
オーディションは純粋な良し悪しで通過を決定しましたが、ライブに出演できるグループ数は限られています。そのため、前のラウンドで何通過していようがここで一定人数まで減らされます。
このラウンドは基本的には非公開プロセスで、審査員が合議の上で本選進出者を決定しています。そのため予選を通過したはずなのに本選で確認できない人はおそらくここで落ちています。
なお、一次予選でゴールデンブザーを受賞している出場者はここの審査を免除されるという特権があります。
本選
ここからは全ラウンドが生放送になります。本選進出者を4~5つのグループに分けて、それぞれのグループで次ラウンドへの進出の権利を賭けてパフォーマンスが行われます。
番組終了後すぐに丸一日かけて全英の視聴者による投票が行われ、その結果によって次のラウンドへの進出者が決まります。そのためパフォーマンス終了後すぐに投票が開始され、その翌日にすぐに結果が放映されます。決勝に進めるのは例年10組前後です。
ちなみに、予選でもあった赤いブザーボタンは決勝までずっと置いてあります。生放送ラウンドまで勝ち上がっている出場者のパフォーマンスなので滅多にないことですが、生放送でも押されるケースがあります。
残念ながら投票システムは国内からのみアクセス可能なようで、日本からは見守ることしかできません。
敗者復活
準々決勝、または準決勝で惜しくも敗れてしまった出場者に、敗者復活枠が与えられることがあります。誰が復活するかについては、視聴者投票によって決まるパターンと審査員の一存で決まるパターンがあります。
決勝
準決勝までを勝ち上がった参加者が改めて最後のライブパフォーマンスに挑みます。泣いても笑っても最後に勝つのは一組だけです。ここも準決勝までと同様、全英の視聴者投票で結果が決まります。
賞金は?
優勝賞金は25万ポンド(日本円にして4000万円以上!!)、2位以下はゼロの勝者総取り制です。さらに優勝者には副賞としてRoyal Variety Performanceという、英国王室も観覧する著名なチャリティー番組への出演の権利を得ます。
とはいえ2位以下に全く意味がないかというとそんなこともなく、BGTに出演したことで知名度が上がって大型契約に繋がったり、翌年以降のBGTにゲストパフォーマーとして呼ばれたりと、なんやかんやで有名になることの恩恵を受けている人は多いです。人によってはその年の優勝者よりよっぽど有名になったなんてケースも。スーザン・ボイルなんかが代表的でしょう(そう、実はあの人は準優勝です。知っていましたか?)。
ちなみにこの優勝賞金ですが、一括で受け取るか30年分割で受け取るかが選択可能らしいです。一括で受け取ると税金を結構取られるとの噂です。
放映スケジュール
BGTの本シーズンの開催は年1回で、スケジュールは例年以下のようになっています。
- 一次予選:4月
- 本選:5月
- 決勝:6月
おわりに
以上、BGTのシステムの解説でした。
本家のAGTについては↓こちら↓をご覧ください(内容はほとんど同じですが、システムや優勝賞金などの細部に差があります)。